2022 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical study of design from technical and social perspectives for public theaters to become more socially inclusive
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22H03888
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長津 結一郎 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (00709751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾本 章 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (00233619)
吉野 さつき 愛知大学, 文学部, 教授 (20634364)
宮本 聡 九州大学, 人間環境学研究院, 学術研究員 (30805180)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 舞台技術 / 芸術と社会包摂 / アクセシビリティ / 情報保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、文献調査および研究会を実施し、その成果を国際学会と国内学会でそれぞれ発表することができた。 文献調査や研究会を行ううえでは、2021年度に北九州芸術劇場で本研究グループの数名が関与し実施した障害のある人が関わる舞台公演の内容を踏まえたうえで、本研究の視座を舞台技術者にフォーカスしたうえで進めることがもっとも有効と判断した。そのうえで、舞台技術の関係者が投稿し読者として想定されている複数の雑誌や講演報告書等のアーカイブを行い、その中で社会包摂に関する記述がどのようになっているのかを整理した。この成果は国内学会で発表した。 また、これまで研究代表者が行なってきた研究を引き継ぎ、障害のある人に関わる文化政策についての国内潮流について、本研究の視座と関連させながら整理を行った。この成果は国際学会で発表した。 さらに、障害のある人とない人とのコミュニケーションを行うことにより芸術活動を行っている事例に関して、福岡県内での複数の実践に関わりながら調査研究を行った。 これらの活動を通じて、舞台技術者へ着目することにより、これまでの芸術と社会包摂に関する議論では得られなかった知見を得られる見込みがたったため、具体的に次年度での実践研究に向けた計画を立てることができた。 そのほか、劇場職員をはじめとした関係者へのインタビュー調査を計画していたが、コロナ禍の対応等により繰り越して実施することとなった(2023年度に実施済み)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献研究や実践研究、さらに研究成果の公表については一定の成果をあげることができたが、インタビュー調査の調整が遅れてしまったため、次年度以降にインタビューや実践研究についてをさらに進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の成果を踏まえて2023年度は、具体的に技術者と芸術家との関わり方に関するプロトタイプを検討し、実際の文化施設を舞台とした実証実験を行う。またこの関係者にインタビュー調査を行うことによって、実証実験自体の効果を多角的に検証することを目指す。また、文献調査を行うなかで、日本の社会包摂的な動向の先例の多くがイギリスに由来するということが改めてわかってきたため、イギリスでの事例の調査も行うことにより、本研究の成果をさらに傍証していく予定とする。
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