2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of VR Viewing Experience that Incorporates Communication Elements with Familiar People and Utilization at Hospitalization Sites
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22H03890
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金 大雄 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (90346859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 達郎 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (10363392)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | コンテンツデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、VR疑似体験において、体験している空間を他者と共有し、コミュニケーション要素を取り入れたVR疑似体験共有視聴システムを独自に構築することで、DTxとしてのVR活用において新たな領域を拡張することを目的としている。 本年度は、心療内科及び精神科を専門としている病院「虹と海のホスピタル」(佐賀県)と「ゆうメンタルクリニック」(福岡県)などの研究協力機関や研究協力者の協力を得て、長期入院患者や医療関係者の協力のもと、それぞれのニーズに合った最適化された疑似体験VR映像コンテンツの設計とプロトタイプの開発を行なった。研究では、次の3つの項目を明らかにすることを目的に設計・開発した。①思い出の場所をVR疑似体験している際、体験者はそれを他者と共有し、コミュニケーションを取ることを望んでいるか②身近な相手(家族、看護師、介護士など)とコミュニケーションを取る際、アバター同士ではなく、実際の相手の顔を見ながら会話をすることが望ましいか。またどのような形式でVR空間上に相手を表示させることが適しているか③VR空間共有時に体験者が注目しているポイントを相互に指し示すことのできる機能を取り入れることで、コミュニケーションのきっかけは生まれるのか。また、それによって360度見渡すことができるというVRの特性を存分に活かすことができるか システムの検証においては主に3つのデータに着目した設計を行なった。1つ目は視線の動きである。アイトラッキングによって体験者の視線をマッピングし、体験者がどこを見ていたのかを分析する。2つ目は会話量である。体験中の音声データを記録することで、コミュニケーションの発生頻度、タイミング、語彙量を分析する。3つ目はアンケートとヒアリングによる体験者からのフィードバックである。これらの定量的な測定データと定性的な評価を複合的に分析することで仮説検証を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目の研究として、当初の計画より進んでいる。研究協力機関や研究協力者の協力を得て、長期入院患者や医療関係者の協力のもと、それぞれのニーズに合った最適化された疑似体験VR映像コンテンツの設計とプロトタイプの開発を行なった。特に医療現場の看護師や心療内科のカウンセラーを対象に行なったプロトタイプのVR体験会を通して有意義なフィードバックを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究成果をもとに来年度は5名の長期入院患者をターゲットに思い出の場所をヒアリングし、VR実写映像コンテンツの制作を行い、システム及びコンテンツの有用性を高める。具体的に、患者や高齢者など施設から気軽に外出できない人が、自宅の様子や思い出の詰まった場所に高精細なVR空間で疑似外出し、同じVR空間上で家族や身近な人の顔を見ながらコミュニケーションをとることのできるシステムを開発し、患者層や高齢者に最適化されたコンテンツの創出を行う。
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Research Products
(3 results)