2022 Fiscal Year Annual Research Report
アファンタジアの包括的理解に向けた認知・神経科学的検討
Project/Area Number |
22H03910
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高橋 純一 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10723538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 大地 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (00707979)
杉村 伸一郎 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (40235891)
行場 次朗 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 教授 (50142899)
坂本 修一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60332524)
堀川 友慈 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, 特別研究員 (60721876)
齋藤 五大 東北大学, 電気通信研究所, 特任助教 (70823772)
大村 一史 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (90431634)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アファンタジア / 心的イメージ / 多感覚イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,3つの研究班に分かれて,①大規模調査・エピソード分析班:アファンタジアの出現率に関する大規模調査および参加者(当事者)プールの作成,②知覚・認知実験班:視覚実験,聴覚実験,言語実験の実施,③生理実験班:fMRI実験の実施をそれぞれ行った。 ①大規模調査・エピソード分析班では,アファンタジアの出現率とサブタイプを検討するための大規模調査を行った。事前の予備調査ではアファンタジアの出現率はおよそ4%であることがわかっており,さらに調査対象者数を増やすことで信頼性の高い出現率推定を行うために大規模調査を行った。結果から,出現率4%は再現性の高い結果であること,サブタイプについては,感覚モダリティの観点から様々なアファンタジアのタイプが存在する可能性を発見した。現在,成果発表として海外雑誌に投稿する論文を作成中である。 ②知覚・認知実験班では,アファンタジアの認知特性を解明すべく,言語課題と視覚課題の観点から実験準備および統制群(イメージが浮かぶ参加者)を対象とした予備実験を実施した。各種の実験パラダイムの確認,実験パラメータの調整などを慎重に行った。アファンタジア当事者についても数名に協力依頼をすることができ,少しずつ実験を始めている。 ③生理実験班では,fMRIを用いてアファンタジア当事者の脳機能測定を行った。実験参加者は①大規模調査・エピソード分析班から提供された人たちであり,安定してデータ収集を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①大規模調査・エピソード分析班は大規模調査を展開することができた。一方で,②知覚・認知実験班に提供する参加者についてスクリーニング調査を行う必要があったが,スクリーニング調査から実験参加者提供までの期間があまりあかないほうがよいと判断したことから,スクリーニング調査については2023年度の初期に行うこととした。 ②知覚・認知実験班では,実験準備と予備実験を実施することができた。 ③生理実験班では,アファンタジア当事者の脳機能測定を開始し,順調に進めることができた。 以上のように,全ての研究班で当初の予定通り,それぞれの研究を展開できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,①大規模調査・エピソード分析班では,アファンタジアの出現率推定に関する論文の投稿と査読対応,および参加者プールの運営を行う予定である(研究代表者の髙橋および研究分担者の杉村と大村)。②知覚・認知実験班では,言語課題と視覚課題に関する行動実験を行う予定である(研究分担者の齋藤,坂本,安永,行場,および研究代表者の髙橋)。③生理実験班では,脳機能測定を継続する予定である(研究分担者の堀川)。
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