2022 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of stenosis-preventive effect of bifunctionalized artificial blood vessels using peptide modification technology
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22H03929
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
柿木 佐知朗 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (70421419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 真司 大阪医科薬科大学, 医学研究科, 教授 (80288703)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ペプチド修飾 / 人工血管 / 狭窄予防 / 内膜再生 / キマーゼ阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、下記2項目に取り組んだ。
インテグリンリガンドペプチド修飾延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の機能評価:チロシン残基を含むアンカー配列とインテグリンα4β1のリガンド配列を複合したペプチド(YKYKYKGGGRDV)をFmoc固相法で合成した。そして、チロシン酸化法でePTFE基材上に固定化することができた。ePTFE基材への血管内皮細胞の接着性は、リガンドペプチドの固定によって飛躍的に向上した。
キマーゼ阻害ペプチド修飾ePTFEの機能評価:チロシン残基を含むアンカー配列(YKYKYK)とキマーゼ阻害ペプチド誘導体(Suc-VPFp-(OPh)2)との複合体ペプチドをFmoc固相法で合成し、それをチロシン酸化法でePTFE基材に修飾することができた。ただし、キマーゼ阻害ペプチド誘導体の合成収率および純度が低かったため、固相樹脂や反応溶媒系を複数検討し、ほぼ最適化することができた。ヒトキマーゼ/アンジオテンシンIの転換阻害実験を行ったところ、活性型および不活性型キマーゼ阻害剤を固定化したePTFE表面で顕著な差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インテグリンリガンド複合ペプチドならびにキマーゼ阻害剤ペプチド誘導体のいずれも、Fmoc固相法で合成し、ePTFE基材上へ固定化することができた。しかし、いずれも合成・精製効率が低かったため、複数種の固相担体や溶媒などを利用した最適化に時間を要したため、いずれもin vivo 評価に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画の通り、インテグリンリガンドペプチド固定化ePTFE基材のin vivo評価(ラット頸動脈への移植)とそれによって誘導される内膜様組織の詳細な解析を進める予定である。キマーゼ阻害剤ペプチド誘導体についても、ハムスター皮下への移植と線維芽細胞の遊走阻害効果について解析を進める。
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