2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of accelerating technique for neuronal network maturation through a synaptic modulation by high-intensity time-varying magnetic fields
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22H03931
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
齋藤 淳史 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 主任研究員 (30714539)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 強変動磁界 / ヒト3次元培養神経回路網 / 多点光学計測システム / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
計画初年度となる2022年度は,磁界ばく露実験で用いるヒト3次元培養神経回路網の作製方法を検討するとともに,強変動磁界ばく露環境下において培養神経回路網の活動を多点同時かつリアルタイムに検出できる多点光学計測システムの構築に取り組んだ。上記に関し,以下の成果を得た。 (1)ヒト3次元培養神経回路網の作製 ヒト人工多能性幹(hiPS)細胞由来神経前駆細胞を細胞非接着基質がコーティングされたマルチウェルプレート内で長期培養することで,均等なサイズを有するヒト3次元培養神経回路網を効率的に作製できる分化誘導条件を決定した。また,作製したヒト3次元培養神経回路網の活動を蛍光顕微鏡を用いたカルシウムイメージング法やマルチ電極アレイ(MEA)計測システムを用いた細胞外電位記録法により評価した。その結果,安定した同期バースト発火を示すヒト3次元培養神経回路網を作製するには数ヶ月程度の長期培養が必要となることがわかった。これらの基礎的な条件検討により,ヒト3次元培養神経回路網の機能的成熟に対する磁界ばく露の効果を評価するための背景データを取得することができた。 (2)多点光学計測システムの構築 強変動磁界ばく露環境下においてヒト3次元培養神経回路網の活動を効率的に評価するために,CMOSカメラと光源,バンドル型光ファイバープローブ等を組み合わせた光学システムを構築した。また,同システムのセンサ部にプリズムを内蔵した細胞培養容器を結合することで強変動磁界ばく露コイル内に配置したヒト3次元培養神経回路網の活動をカルシウムイメージング法により多点同時かつリアルタイムに検出できる多点光学計測システムを構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多点光学計測システムの製作に必要な部品の一部に納入遅延が生じたが,本年度の目標であったヒト3次元培養神経回路網の作製と多点光学計測システムの構築が完了し,2023年度より磁界ばく露実験を実施できる見込みとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当所が保有する強変動磁界ばく露コイルの内部に多点光学計測用の細胞培養容器を配置し,強変動磁界ばく露環境下におけるヒト3次元培養神経回路網の活動を多点同時かつリアルタイムで検出する。これにより,同期バースト発火の発生パターンに変化が生じる磁界ばく露条件を決定する。
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Research Products
(2 results)