2022 Fiscal Year Annual Research Report
低分子抗体を用いた幹細胞デリバリーによる肝線維化治療
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22H03940
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
樋口 ゆり子 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40402797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 富義 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30243041)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム / 間葉系幹細胞 / 低分子抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肝線維化治療をモデルとして検証する。まず、線維化が進行する箇所の環境に応答して肝細胞への分化誘導分子を発現する仕組みを構築することにした。肝線維化の初期である肝炎の環境においては炎症性サイトカインの濃度が高い。そこで、サイトカイン刺激によるユビキチンプロテアソーム経路によるタンパク質分解を利用することで、サイトカイン刺激により分解するリプレッサーを作製した。さらに、このリプレッサーを発現する細胞株を作製し、TNFを添加するとリプレッサーが分解されることを確認した。また、このリプレッサーが結合する配列の下流にマーカーとして蛍光タンパク質の発現配列を配置したベクターを作製し、リプレッサーと共発現させると蛍光タンパク質の発現が抑制された。また、治療実験に向けて、コリン欠乏食と四塩化炭素投与により肝線維化モデルマウスを作製した。肝臓の切片を免疫染色すると、肝線維化マーカーであるaSMAの発現の亢進が確認できた。以上、本年は、環境応答性遺伝子発現システムの構築と肝線維化モデルの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大きな変更や遅延はなく、ほぼ計画通りに進んでいる。遺伝子発現抑制の解除について上手くいっていないが、原因がいくつか明らかになっており、改善の方向性が見えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、遺伝子発現の抑制の解除について、今回見出した課題について、解決を図る。次に、炎症部位への細胞のデリバリー、および、微小環境に応答して治療分子を発現する仕組みの構築に着手する。
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