2022 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト全脳皮質層別イメージングとMR分光画像法による脳回路制御動態描出法の開発
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22H03946
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
福永 雅喜 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 特任教授 (40330047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 雅宏 明治国際医療大学, 基礎教養講座, 教授 (60223608)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MRI / MRS / 7テスラ / レイヤー / 神経伝達物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
フィードバックおよびフィードフォワードを分離可能な皮質層別イメージング技術であるレイヤーfMRIと、ヒト生体脳に含まれる興奮性及び抑制性神経伝達物質を観測するMRスペクトロスコピー(MRS)を複数脳領域計測に拡張するための計測技術開発と、それらを元にしたダイナミックな因果的脳ネットワークモデルの構築を目的に、今年度は、7テスラ超高磁場MRIの特長を最大限に活用し、複数脳領域間の皮質層別コネクティビティを実現する全脳レベルのレイヤーfMRI計測法の開発を実施した。 神経活動に伴う大脳皮質内動脈血の変化に鋭敏で、静脈血に感度を有さないCBV計測技術(VASO法)を導入し、信号源レベルでローカライゼーションの改良を行った。従来のVASO法は、0.75x0.75x1.5mmの非等方性分解能と、4x10cm程度の領域を対象にレイヤーfMRIを遂行していたが、層別機能結合解析には等方性分解能が望まれるため、0.8x0.8x0.8mmの分解能を目標に複数脳領域をカバーするための改良を実施した。また、血管内の水信号抑制に反転パルスを用いる現行法は、反転時間および遅延時間の設定が必要で、加えてデータ収集の至適時間枠に制限があり、1度の反転パルス照射で30スライス以上の撮像は困難であったため、反転パルスを使用せずに脳血液量計測を実現するMAGEC-VASO法を導入した。これにより、画像収集に使用するRFパルスを信号収集期間を通して可変することで、反転パルスの設定なく血液信号を分離して抑制出来、0.8x0.8x0.9mmの空間分解能で、大脳の全領域をカバーする収集を約5.2秒の時間分解能で計測できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年の初頭に、7テスラMRIに不測の不調が発生し、やむを得ず4ヶ月間の使用停止期間が生じ、当初予定のスケジュールで研究を実施することが出来なかった。そのため、研究期間を半年延長した。装置の復旧後は、当初予定していた実験を実施することが出来た。その結果、0.8x0.8x0.9mmの空間分解能で、大脳の全領域をカバーする収集を約5.2秒の時間分解能で計測することが可能となり、当初予定していた一定の成果(全脳レベルのレイヤーイメージング計測法の確立)を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間に延長が生じたものの、研究開始当初、初年度に予定していた研究成果を得ることが出来た。次年度も、当初計画に沿って研究を推進する。
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