2022 Fiscal Year Annual Research Report
Honeycomb bone scaffolds for bone marrow regeneration
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22H03954
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 幸壱朗 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80580886)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | スキャフォールド / 骨髄 / 造血幹細胞 / ハニカム / アパタイト / 骨 / ニッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
白血病等の血液がんの治療において、造血幹細胞移植が選択されることがあるが、十分な数の造血幹細胞を確保できない場合がある。この場合は、生着不全や感染などの合併症が生じる可能性がある。また、これまでの研究から、造血幹細胞の自己複製(未分化のままの増殖)には造血幹細胞ニッチと呼ばれる微小空間が重要な役割を担っていることや、造血幹細胞ニッチは骨内膜近傍に存在することが知られている。 研究代表者は、造血幹細胞を自己複製している造血幹細胞ニッチに学び、骨内膜を裏打ちする骨の化学組成及び構造を模倣した炭酸アパタイトハニカムスキャフォールドを作製した。作製した炭酸アパタイトハニカムスキャフォールドは、開口径が300μmの一軸連通気孔が規則的に配列していた。炭酸アパタイトハニカムスキャフォールドをウサギ頭蓋部に埋植すると、全ての一軸連通気孔内において、気孔壁に沿って一軸に骨が形成し、形成された骨に囲まれる領域に太い血管が形成された。さらに、炭酸アパタイトハニカムスキャフォールドをラットの頭蓋部に埋植した場合も同様に、埋植後4週時点において、気孔壁に沿って一軸に骨が形成し、形成された骨に囲まれる領域に太い血管が形成されていた。さらに、埋植後8週時点では、骨髄組織が形成されており、12週時点においても同様に骨髄組織が維持されていることが確認された。フローサイトメトリーにより、骨髄組織内には造血幹細胞が存在することが明らかになり、その存在割合は、ラット大腿骨骨髄よりも高いことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた研究内容を全て実施することができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、炭酸アパタイトハニカムスキャフォールド内に骨髄組織を形成することができ、その骨髄組織内には造血幹細胞が存在することが明らかになった。そこで、今後は、骨髄組織を形成した炭酸アパタイトハニカムスキャフォールドを免疫抑制動物に移植し、造血機能が回復することを確認する。
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Research Products
(9 results)