2022 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of glycocalyx-like material for protection of cell from immune response
Project/Area Number |
22H03966
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
寺村 裕治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (10365421)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 細胞表面修飾 / PEG脂質 / ヘパリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、腎臓移植において虚血状態にさらされた血管内皮細胞を保護し、自然免疫反応からの攻撃を防ぐことができる細胞表面修飾剤の創製を目指す。 ここでは、2つのアプローチ:(1)生体に本来備わっている免疫系の防御機構を模倣し、さらに、(2) ヒト免疫系を回避する細菌(髄膜炎菌)にインスパイアされた仕 組みを取り入れて、生体反応を制御する細胞表面の修飾材料の創製を行う。まずは、虚血再灌流障害による消失したglycocalyxを再構築するために、ヘパリン結 合脂質により血管内皮の修飾を試みる。このglycocalyxの中 で、抗凝固活性の中心的な役割を担うヘパリンを細胞表面に導入できる材料を創製するため、ヘパリンと脂質との結合体であるヘパリン脂質の合成と機能評価に取り組んだ。ヘパリンを脂質へ結合させるために、スペーサーとしてポリエチレングリコール(PEG)を 選択した。PEG鎖長の選択肢として、分子量1kから40kDaを考慮して、その末端 に、異なるリジン残基を導入して、アミノ基に対して、ヘパリン鎖をさせ、リジン残基数を変化させ、1から8分子程度のヘパリンを結合さ せた。ヘパリン導入量は、フルオレスカミンにより未反応のアミノ基を定量したところ、PEG鎖が高分子量になるにつれて、その導入量が低下していったことから、分子量1kか5kDaが最適であるものと、予備実験から判断した。また、分子量の短いPEG鎖長では、合成過程において、精製が良いでないことから、分子量5kDaのPEGが最適と判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大きなトラブルもなく、計画通りに実験が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り進める予定である。
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