2023 Fiscal Year Annual Research Report
超音波動画像と筋電図と嚥下音を用いた非侵襲計測による嚥下評価のための装置開発研究
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22H03972
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
鈴木 裕 東洋大学, 理工学部, 准教授 (40516928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 大樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10375636)
駒形 純也 名古屋女子大学, 医療科学部, 助教 (20712798)
阪田 治 東京理科大学, 工学部電気工学科, 教授 (30391197)
谷本 守正 東京聖栄大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60621323)
小谷 信司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80242618)
石井 裕貴 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (40568250)
笹沼 里圭子 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (30982582)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生体音 / 嚥下音 / 超音波動画像 / 嚥下 / 筋電図 / 機械学習 / 診断支援装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では嚥下超音波動画像と嚥下音と頸部筋電図の3種信号を同時採取しマルチモーダル解析およびディープラーニングによる手法で嚥下能力の計測装置の開発を行うことを目的とする。本年度は3種信号を同時採取し、各種生体信号について解析を行行った。また、嚥下評価用食材についての検討を進めた。 超音波動画像により、嚥下時の食道部の食塊の動きが捉えられることを動画像上で確認し、かつ動画像処理により食道の上行下行運動および嚥下物の運速度算出を求めることに成功した。そこではディープラーニンであるYOLOを用いて食塊画像を学習し、食塊と食塊以外を分離した。これにより、食道の運動タイミング,食塊流入および通過タイミングを自動検出するアルゴリズムの達成に近づいた。さらに嚥下音、筋電図の同時計測を行うための装置開発を進めた。嚥下音に関してはマイクロホンに入力される信号は嚥下音以外の音も含まれるため、その抽出法について検討を進めた。複数の食材に対して咀嚼と嚥下を行い、ビデオカメラにそれらの音と同時に収録することとした。咀嚼音と嚥下音は時間周波数解析によって分離することを試みた。具体的にはウェーブレット解析によって分離可能である結果が得られた。 20代の健常者における嚥下時の3種信号を同時採取した。その結果より、嚥下超音波動画像と嚥下音と頸部筋電図が発生する各種特徴量についての発生順序、時間間隔について算出を行った。その結果、予測と矛盾しない結果が得られた。今後、さらに被験者の範囲を広め、計測と解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度は新型コロナウィルスの影響で、研究室内の陽性者、濃厚接触者等が頻出したため、ハードウェア構築に遅延が生じていた。本年度はそのハードウェア構築の遅れを取り戻すことができ、嚥下評価のフェーズに到達した。
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Strategy for Future Research Activity |
マルチモーダル解析について、嚥下超音波動画像と嚥下音と頸部筋電図および外部カメラの時間軸を同期させて記録する装置を作成し、ソフトウェアに関しても効率よく特徴量を算出するアルゴリズムを定めた。しかし、工学系のソフトウェア操作に慣れた人でなければ操作はできないのが現状である。そこで、メディカルスタッフでも操作、特徴を見つけることができるグラフィカルユーザインターフェースを作成する予定である。 超音波動画像についてファントムモデルにて超音波動画像上で高輝度に確認される物質について確認できたため、ヒトが嚥下した際に同様に有効であるかについて、複数人の被験者において確かめる予定である。また、食塊画像を学習し、食塊と食塊以外を分離したが、そのリアルタイム化を目指す。 年代の異なる被験者により、データ採取を行い解析を進める予定である。
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