2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Papers used for Classical Japanese Books -Literature and publishing systems supported by paper recycling-
Project/Area Number |
23H00604
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
澤山 茂 実践女子大学, 研究推進機構, 研究員 (00078213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 あすか 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, アソシエイトフェロー (30823752)
佐藤 悟 実践女子大学, 文学部, 教授 (50178729)
大道 公秀 実践女子大学, 生活科学部, 准教授 (50632444)
大橋 直義 実践女子大学, 文学部, 教授 (50636420)
上野 英子 実践女子大学, 文学部, 教授 (60205573)
松原 哲子 実践女子大学, 研究推進機構, 研究員 (70796391)
舟見 一哉 実践女子大学, 文学部, 准教授 (80549808)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 和紙 / 再生紙 / ガンピ / コウゾ / ミツマタ / コンフォーカル顕微鏡 / 高精細デジタル顕微鏡 / 米粉 |
Outline of Annual Research Achievements |
コンフォーカル顕微鏡(OPTELICS HYBRID十:レーザーテック(株)社製および高精細デジタル顕微鏡 VHX-8000:(株)キーエンス社製)を用いて、各種古典籍の料紙を観察した。和紙の靭皮繊維源流の形状(繊維幅、繊維長、繊維密度等)の計測を行い、外観から原料特定が確認できる基礎資料を得た。古典籍の観察結果から、古典籍や近世の大量に出版された文学作品の多くが再生紙(漉き返し紙)から構成されていることが明らかになった。「紙のレンズがひらく古典籍・絵画の世界」、2023年11月10日、(株)勉誠社において「手漉き和紙、とくにコウゾの製造から紙へ-デジタル顕微鏡でここまで分かる-」、及び「為家本源氏物語幻の巻の研究-高精細デジタル顕微鏡・高解像度スキャナ・蛍光X線分析器に紙質調査を通して-」では、3種類の和紙原料の形態的特徴を明らかにした。実践女子大学文芸資料研究所年報第43号の「和紙素材の新しい判別方法について」では、和紙の光学的特徴を同軸落射法による偏光観察を行い、複屈折の観察によりガンピ、コウゾ、ミツマタの同定が可能であることを示した。又、「為家本源氏物語の紙(1)」では、和紙原料がガンピとコウゾの混ぜ漉きで構成されていること、和紙の加工法として丁寧な「打紙」加工がなされていること、さらに、填材として「米粉」の存在を初めて明らかにした。これらは、先行研究がほとんどないことから、新知見として評価することができた。又、リサイクル和紙の原料混合割合を示唆する基礎データになり得ることが示された。古典籍の観察結果から、古典籍や近世の大量に出版された文学作品の多くが再生紙(漉き返し紙)から構成されており国文学における仮説の一分を証明することができた。和紙は文化の重要な資源であり、リサイクルによって社会を支えていることの一部を証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に掲げた試料が広範囲に分布している関係で、測定に要する回数が膨大である。 購入機材の性能が高機能であることから、得られた画像の解釈や評価について先行研究が乏しく、試行錯誤をくり返す必要がある。高精細顕微鏡の観察範囲が狭いので、連続撮影による広範囲の試料観察が必要である。得られた計測結果は、統計処理を行い、客観性のあるデータとして処理する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、コンフォーカル顕微鏡(OPTELICS HYBRID十:レーザーテック(株)社製および高精細デジタル顕微鏡 VHX-8000:(株)キーエンス社製)を用いて、各種古典籍、紙資源のリサイクルを利用した出版物の用紙を観察する。コンフォーカル顕微鏡による和紙の観察データが先行研究として皆無であるため、観察事例を充実させる。機械学習による画像認識システムの導入の可能性について検討を進める。機械学習による料紙の同定、料紙の加工の有無、填材の影響などについて応用範囲を拡大する。
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Research Products
(4 results)