2023 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of social-brain shadowing on learning English as a foreign language
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23H00651
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| Allocation Type | Single-year Grants |
| Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
門田 修平 関西学院大学, 特定プロジェクト研究センター, 客員研究員 (20191984)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Jeong Hyeonjeong 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (60549054)
梶浦 眞由美 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (70849025)
長谷 尚弥 関西学院大学, 国際学部, 教授 (50309407)
中野 陽子 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (20380298)
中西 弘 西南学院大学, 外国語学部, 教授 (10582918)
川崎 眞理子 長岡崇徳大学, 看護学部, 教授 (30779989)
風井 浩志 関西学院大学, 工学部, 研究員 (80388719)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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| Keywords | インタラクティブ・シャドーイング / 社会脳インタラクション / 社会認知システム / 認知脳ネットワーク / 社会脳ネットワーク |
| Outline of Annual Research Achievements |
英語など外国語のモデル音声を聞きながら、ほぼ同時に影のように追従して復唱するのが、シャドーイング学習である。これまでこの方法は、学習者の「ワーキングメモリ(作動記憶:working memory)、特にその実行機能(executive function)を中心とする認知システムを鍛え、その上で英語のリスニング力からスピーキング力までを向上させる自己完結型のプラクティスであると捉えられてきた。それに対して、日本人英語学習者にとってきわめて困難な、他者との相互交流のためのコミュニケーションである「やりとり(インタラクション:interaction)」の能力を英語において伸ばすには、目の前の教師や他の学習者の発話音声をもとに、対面で実施する対話型のシャドーイング(conversational shadowing)の方法が効果的であると考えられる。この対話型のインタラクティブ・シャドーイングの認知過程とその神経基盤を、行動実験およびfMRIを用いた脳科学実験により検証すること、並びに他者の意図やこころの中を推測しようとする「メンタライジング(心の理論)」や他者への共感・模倣を生み出す「ミラーシステム」、さらには表情・視線の認識や共同注意の仕組みなどにかかわる社会脳ネットワークがどのように関与しているかをモデル化し、その上で、この社会脳インタラクション能力(social brain interactional competence: SBIC)を促進する英語シャドーイングの学習法・教授法を確立することが本研究の全体的な目的である。この目的の遂行に向けて、社会脳ネットワーク、認知的・情動的共感、メンタライジング、社会認知システム、ミラーシステム、ダイアローグ文法などの主たるテーマである社会脳インタラクションに関連する先行文献調査を実施した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1年目(2023年度)は、実験の準備期間と位置づけ、①社会脳ネットワーク、②認知的・情動的共感、③メンタライジング、④社会認知システム、⑤ミラーシステム、⑥ダイアローグ文法など、本研究の主たるテーマである社会脳シャドーイングに関連する先行文献調査を行った。日本人学習者に対する英語学習で、双方向的なインタラクション能力の育成を図る対話型のシャドーイングを考える上で参考になるのが、T. Murphey氏が提案した、「会話的シャドーイング」であった。本研究では、この方法について、代表者(門田)が、これまでの科研共同研究でも依頼した、東北大学加齢医学研究所に設置済のfMRI装置(fMRI scanner)を使用し、安全かつ綿密な脳内活動計測を行う予定であった。このような方法による、社会脳的なインタラクティブ・シャドーイング学習効果の査定がいかにして可能になり、その結果どのような効果が学習者の英語習得にみられるか、理論的・実証的に検討を行った。 研究2年目(2024年度)は、門田修平ほか(2024)『話すための進化系英語シャドーイング』(コスモピア刊)、門田修平(2024)『AIフル活用!英語発信力トレーニング』(コスモピア刊)という研究・啓蒙書の刊行を行い、本格的な社会脳シャドーイングの実験研究の遂行に至る理論的枠組みの完成に向けた取り組みを行った。さらに、本行動実験の前段となる顔動画シャドーイングの研究(2019年~2022年科研研究「シャドーイングが英語学習者のメタ認知に与える効果:NIRSによる脳内機構の解明」の成果をまとめ、国際学術誌(Language Learning)に投稿を果たした。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により、第二言語(L2)におけるシャドーイング学習中に、話者の顔の視覚情報がどのように脳活動や学習成果に影響を与えるかについて、fMRIと行動実験により詳細な投稿論文を作成した。すなわち、日本人英語学習者42名が、顔が見える映像(Face条件)とモザイクで顔が見えない映像(Mosaic条件)を用いた「聞く」および「シャドーイング」課題を実施し、Face条件でのシャドーイングはMosaic条件よりもシャドーイング再生率が高く、記憶定着にも効果的であることが判明した。特に、fMRI解析では、Face条件下で左後部中側頭回(pMTG)、左海馬、右腹側淡蒼球の活動が有意に高まり、これらは視覚・聴覚統合、動機づけ、記憶形成に関与する領域であることが示された。さらに、スピーキング能力が高い学習者は、右上側頭回後部(pSTG)の活動が高く、リスニング能力が高い学習者は、小脳の関与が少ない傾向も併せて観察された。これは、高熟練者ほど視聴覚統合と発話の自動化が進んでいることを示唆するものである。第二言語(英語)習得との関連では、顔の見える映像を用いたシャドーイングや対面型インタラクティブ・シャドーイングの導入が、発話精度・記憶定着・学習動機づけを高める可能性があると結論づけられる。従って、今後は、従来型の行動実験と同様に、fMRI実験においても、一般的な対話または情動的共感を伴う対話を素材に、課題の正答率や反応時間測定を行うとともにfMRIデータ収集を実施することが必要になる。さらには、顔が見えるシャドーイングの長期的効果の検証や、学習者の認知能力、言語熟達度、動機づけの違いが学習成果にどう影響するかを追跡することも考えたい。これにより、第二言語教育における個別最適化されたマルチモーダル指導法の確立が期待できる。
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