2023 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア盤上遊戯の変遷と盛衰の解明 ー史学的検討と知能情報学による評価からー
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23H00662
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
清水 康二 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 指導研究員 (90250381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 政樹 大阪商業大学, 公共学部, 教授 (10340019)
鈴木 直美 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (50643962)
小田 裕樹 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (70416410)
飯田 弘之 北陸先端科学技術大学院大学, その他, 理事 (80281723)
鈴木 一議 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 特別研究員 (90443572)
古作 登 大阪商業大学, 公共学部, 助教 (90535238)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 将棋類 / 囲碁 / 雙六 / ユンノリ / 六博 / ゲーム洗練度理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度なので東アジア遊戯資料のデータベース作成を作成した。日本で出土した遊戯資料を中心におこない、日本の将棋類に関してはほぼ集成を達成した状況である。 資料調査は2024年2月に韓国で、3月に中国の山東省でおこなった。韓国の資料調査は、坡州市の国立民俗博物館(坡州館)、ソウル市の国立民俗博物館、光州市の伝統遊戯多文化教育研究所でおこなった。両国立民俗博物館では所蔵されるユンノリ関係資料、チャンギ資料、囲碁資料の観察、写真撮影フォトグラメトリによる3D図作成をおこなった。伝統遊戯多文化教育研究所では、チョン・ヨンスク研究所所長と意見交換をし、所蔵品の写真撮影と韓国の遊戯具の遊戯法について教示を得て、案内された光州北部にあるユンノリの岩刻画の写真撮影と3D図作成もおこなった。このほか日本棋院から韓国棋院に寄贈され所蔵されている金玉均愛用の囲碁盤の写真撮影と3D図化をおこなった。さらに釜山市内でおこなわれた小正月行事にともなう伝統遊戯の実践を観察し、遊戯法の再確認を実施した。中国山東省では、山東博物館の協力を得て、山東博物館、山東省文物考古研究院、滕州漢画像石館所蔵の遊戯具が表現された画像石を中心に、碁石とされるものを写真撮影、3D計測、観察をおこなった。 共同研究の重要課題であるゲーム洗練度理論による盤上遊戯の面白さの客観評価については、研究の基盤となる将棋類の遊戯法復元をおこなって分析を進めることが可能な段階となっており、一部の将棋類の分析をおこなった。 4月に研究打合せと研究会を研究代表者及び研究分担者でおこなった。その後、3回の研究会は共同研究者以外に盤上遊戯史に関心をもつ研究者にも参加を呼び掛けて開催した。各回2本の研究発表である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中国の調査では山東博物館の協力を得られ、韓国の調査においても国立機関を中心に協力を得られた。ゲーム洗練度理論による分析も進展した。研究会に関しても定期的に開催することができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
中国山東省での資料調査が有望であるため、この地域を中心に海外調査を継続する。その余力を見て、タイ、チベット韓国での資料調査をおこなう。日本の遊戯資料に関しても、重要なものに関して、資料調査をおこなっていく。ゲーム洗練度理論による分析も将棋類の成果をもとに可能な盤上遊戯を対象としていく。
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