2023 Fiscal Year Annual Research Report
Temporal changes of Quaternary crustal uplift rates of Japanese islands revealed by terrestrial in-situ cosmogenic nuclide daying
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23H00723
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石山 達也 東京大学, 地震研究所, 准教授 (90356452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安江 健一 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 准教授 (10446461)
若狭 幸 弘前大学, 地域戦略研究所, 准教授 (40442496)
松多 信尚 岡山大学, 教育学域, 教授 (40578697)
廣内 大助 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (50424916)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 第四紀地殻変動速度 / 原位置宇宙線生成核種年代測定 / 海成段丘 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,年代が不明な海成段丘面が多数分布する地域を対象に、露頭調査やボーリング調査によって試料を採取し、TCN年代測定により海成段丘面の形成年代を求める。TCN年代測定は露出年代を示すため、侵食性の海成段丘を対象とし、深度方向の核種濃度プロファイルから侵食面の形成年代を推定する。TCN年代測定は石英を試料とするため、掘削地点は花崗岩質岩体の分布域のほか、ボーリング掘削に先立つ地質調査で石英脈等が多く分布する地点を選定する必要がある。また、旧汀線高度を高精度で推定するために、DGNSSを用いた旧汀線高度の高精度測位に加えて高分解能数値地形データを収集する必要がある。加えて、10Beと26Al濃度の測定値が試料採取点近傍の地形形成環境に依存する場合があることから、現地での地形観察とDEMを用いた海成段丘面の地形解析により海成段丘面離水前後の地形形成環境を推定し、TCN生成率の推定を行う必要がある。このような観点から、日本海側、能登半島・越前海岸・若狭湾沿岸域・丹後半島にかけて分布する侵食性の海成段丘面を対象として、海成段丘の地形・地質調査・文献調査を実施し、侵食段丘の分布の把握に努めるとともに、年代測定試料採取地点の選定を実施した。その結果、能登半島北岸の輪島市西部に分布する中期更新世の侵食性海成段丘面を構成する花崗岩類の露頭を複数地点で見出し、次年度以降の年代測定試料採取の候補地点とした。さらに地殻変動量の推定に必要な地形解析を実施するために、能登半島の航空レーザー測量による高精度数値地形データを収集した。また、TCN年代測定試料の前処理能力向上のため、岩石から石英を生成するための恒温攪拌装置の設置等、実験室整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に実施した地形・地質調査・文献調査によって、年代試料採取地点の候補地を複数見出したこと、地形解析による地殻変動量推定に必要な高精度数値地形データを収集したことから、次年度以降の試料採取・年代測定や地殻変動速度推定の目処がたったことから、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は能登半島にて選定した複数地点において試料採取を行い、年代測定試料を採取し、原位置宇宙線生成核種年代測定による露出年代のための試料前処理を進める。ただし、令和6年能登半島地震で現地が被災したため、現地の復旧状況に十分配慮して可能な範囲で資料採取を実施する。また、紀伊半島など前弧側を対象として、海成段丘の地形・地質調査・文献調査を実施し、侵食段丘の把握・ボーリング掘削地点選定・高精度地形データの収集・旧汀線高度のDGNSSによる高精度測量等を実施する
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