2023 Fiscal Year Annual Research Report
"Contracts" and "Promises": Approaches from Law and Psychology
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23H00750
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
木下 麻奈子 同志社大学, 法学部, 教授 (00281171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 良之 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (80091502)
池田 清治 北海道大学, 法学研究科, 教授 (20212772)
長谷川 真里 東北大学, 教育学研究科, 教授 (10376973)
前田 智彦 名城大学, 法学部, 教授 (10292806)
森 大輔 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 准教授 (40436499)
齋藤 宙治 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (20779392)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 契約 / 約束 / 法心理学 / 法態度 / 素人理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、当研究プロジェクトの開始の年であるため、先行研究の調査を中心に行った。まず、当研究プロジェクトを構成している3つの研究班のうちA班およびB班では、契約および約束に関する日本語、あるいは英語で執筆されている社会心理学、発達心理学、教育学の分野を中心に先行研究を調べた。とくに契約および約束という概念が、心理学の研究分野でどのように操作的に定義されているかを確認し検討した。その結果、契約に焦点を当てた社会心理学の研究は非常に少ないことが分かった。一方、発達心理学では、主として子供の約束の理解という文脈での研究を多いことが分かった。さらに、英語で言う"promise"と日本語で言う「約束」の概念内容、すなわち、それを構成している行為等が同一のものであると捉えてよいかという研究の前提となる問題自体も、研究の対象となり得ることが分かった。 C班は、契約の拘束力に関する法理論上、とくに民法の契約法に係わる先行研究を調べた。その結果、ローマ法以来の契約法の歴史に鑑みると、契約方式による拘束、宗教的・道徳的な拘束、当事者の意思に基づく拘束等が時代の変遷とともに契約の拘束力を構成し、それ担保してきていることが強く示唆された。 さらに、本年度は先行文献の調査および検討を行ったところ、仮説の構築が予定よりも進捗しため、それに基づきWeb実験の予備調査を実査することが可能となった。その結果、さらなる検討課題も明らかとなったため、研究計画は、予定していたとおりに順調に進捗している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、研究プロジェクト開始の年であるため、当初の計画では、先行研究の調査、検討に終始する予定であった。実際に先行研究の調査、検討を行ったところ、順調に進捗し、実験に用いる要因を抽出し、仮説を作成することができた。その結果、予備的な調査実験をオンラインで行うことができた。さらに今後行う予定の実験・調査で検討しなければならない課題も明らかとなった。それゆえ、研究計画はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、一般人の成人を対象として、人びとの契約および約束の理解に関する面接調査(グループ・インタビューを予定)を行う。その結果に基づきシナリオ予備実験(Web利用)を行い、契約および約束に対する態度の相違を調べる。 第二に、上記の面接調査の質問を参考に質問票を作成し、子どもが約束と契約を、言葉としてではなく、概念として識別できるかを、調査会場に集まってもらって予備的な調査(集合調査法)行う。 第三に、今まで得られた知見をもとに、次年度に行う予定のシナリオ本実験に用いる要因を抽出する。
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Research Products
(22 results)