2023 Fiscal Year Annual Research Report
構造的差別の救済に向けた法理論・法制度・法政策-反差別法の分野横断的研究
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23H00754
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
金子 匡良 法政大学, 法学部, 教授 (50462073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 太郎 専修大学, 法学部, 教授 (00454637)
窪 誠 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (10319577)
吉村 顕真 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (50610185)
近江 美保 神奈川大学, 法学部, 教授 (50732658)
山崎 公士 神奈川大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (80145036)
村元 宏行 活水女子大学, 国際文化学部, 教授 (80806696)
嘉藤 亮 神奈川大学, 法学部, 教授 (90586570)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 反差別法 / 人権救済法 / 実効的救済 / 構造的差別 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、交付申請書に記載した研究実施計画に則り、①差別事象に関する分析枠組みの研究、②権利内容・権利性質の変容に関する研究、③人権主体の変容に関する研究を分担して行った。その結果を共有するために、4月、9月、12月に計3回の研究会を開催し、研究分担者がそれぞれの研究成果を報告した。 金子は主として「差別されない権利」の憲法上の位置づけについて、山崎は権利救済と権利回復の概念および両者の関係性について、嘉藤は人権と国家の役割の位置づけ、および公権力と権利救済・実現の諸相について、窪はProtecting Minority Rights: A Practical Guide to Developing Comprehensive Anti-Discrimination Legislationを素材に、国際社会における新たな差別禁止の考え方について、吉村は障害のある年少者の逸失利益格差とその是正について、村元は住民による善意の地域統制による差別構造の形成について、濱田はGATT/WTO法における無差別原則と人権法における差別概念について、近江は国際人権法におけるフェミニスト判決を素材に、女性の人権への構造的影響と国際人権法のジェンダー変革的可能性について、それぞれ研究を進め、その成果を報告した。 また、研究協力者の鈴木尊紘(国立国会図書館)は、精神障害者差別の克服と人間の尊厳について、小谷昌子(神奈川大学)はあん摩・鍼・灸・マッサージ指圧師に関する職業の自由の制限を素材として、逆差別と実質的平等の確保について研究し、その成果を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4年計画の初年度であったため、各自の研究はまだ緒に就いたばかりであるが、それぞれの研究計画は明確に定められており、全体の研究計画は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も交付申請書に記載した研究実施計画に則り、各自の研究を進めていく。2024年度は文献研究とともに、一部の研究分担者が海外調査を実施する予定である。具体的には、近江が女性差別撤廃委員会第89会期の日本政府報告書審査について国連ジュネーブ事務所に赴き、窪がスイスの国連人権高等弁務官事務所およびイギリスのEqual Rights Trustに赴くことを予定している。
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