2023 Fiscal Year Annual Research Report
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23H00808
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
荒井 洋一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (50376571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 英彦 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (50401196)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 政策評価 / 実験 / 分散推定量 / 有限母集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、無作為標本に基づいた実験 (Randomized Controlled Experiment, RCE) における政策評価の新たな統合アプローチ (unified approach) の開発である。RCEに基づく政策効果の分析においては、統計学的分類において無限母集団アプローチと有限母集団アプローチという2つのアプローチが存在している。現実には、どちらのアプローチも適切ではなく、統計的な議論を正確に行えないという状況が多く存在する。そこで、2つのアプロ ーチを包含する統合アプローチを開発する。 本年度の研究では統合アプローチの基本形に関する研究を行なった。Abadie, et al. (2020)のように標本抽出と政策割り当ての確率的変動を明示的に考慮にいれるとともに、確率的な結果変数を導入した状況における政策評価推定量に関する漸近理論の開発を行なった。そこでは標本抽出と政策割り当てにおいて、より現実を反映した状況を想定した。まずは共変量を用いることなく結果変数と政策割り当て変数のみを用いて政策評価を行うフレームワークに基づいて研究を行なった。有限母集団においては標本が非復元抽出に基づき、独立同一分布に従わないため、通常の無限母集団に基づく推定量と漸近的な性質が異なる。そこで理論的にはErdos and Renyi (1959)によって開発された有限母集団中心極限定理の確率的な結果変数への一般化を行い、その状況における漸近的な性質を導出した。そこでは政策評価推定量の特性函数を導出し、それが有限母集団の標本数が増加するときに標準正規分布の特製関数に収束することにより新たな有限母集団中心極限定理の開発を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響や円安の進行など予想外の状況も生じたが、Zoomなどを利用した結果おおむね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの研究において、無作為標本に基づいた実験 (Randomized Controlled Experiment, RCE) における政策評価の新たな統合アプローチの基本形に関して開発を行い、政策評価推定量の新たな漸近理論を開発した。そこでは有限母集団中心極限定理の確率的な結果変数への一般化を行い、その状況における漸近的な性質を導出した。基本形においては共変量を用いずに、結果変数と政策割り当て変数に基づく政策評価推定量に関して考察を行なった。 今後の研究においては、新たに開発されたフレームワークにおける理論的結果が、既存の結果とどのように異なるかを明らかにする。まずは新たな理論に基づく分散推定量が、既存の無限母集団や有限母集団に基づく分散推定量とどのような状況においてどのように異なるかをオキラかにする。特に標本抽出や政策割り当ての方法や母集団に対する割合などが分散推定量にどのような影響を与えるか吟味する。理論的研究のあとシミュレーションにもとづいて有限標本における分散推定量の性質を検証する。 次にここまでの研究結果を共変量を用いて政策評価を行う状況への拡張を行う。実験に基づく政策評価において、共変量を用いて政策評価を行う場合が多い。ある状況においては共変量を用いることにより、政策評価推定量の分散が小さくなることが知られているためである。そこで本研究で想定している新たなフレームワークにおいて、政策評価にあたって共変量を用いた場合に分散推定量がどのような性質を持つかを検証する。
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