2023 Fiscal Year Annual Research Report
コロナ禍のマネジメントコントロールの実証研究:クライシス時の管理会計と経営理念
Project/Area Number |
23H00868
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三矢 裕 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (00296419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 郁子 東北学院大学, 国際学部, 教授 (90306051)
窪田 祐一 南山大学, 経営学部, 教授 (40329595)
近藤 隆史 京都産業大学, 経営学部, 教授 (60336146)
佐久間 智広 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (40756821)
劉 美玲 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 講師 (30803407)
小笠原 亨 甲南大学, 経営学部, 准教授 (80824466)
早川 翔 流通科学大学, 商学部, 准教授 (40844709)
吉田 政之 尾道市立大学, 経済情報学部, 講師 (40882709)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | コロナ / クライシス / 管理会計 / マネジメントコントロール / 経営理念 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、クライシスと言えるほどの非常に大きな環境変化が起こった際のマネジメントコントロールを、実証的に解明することである。特に、2019年以降、過去経験したことのないパンデミックとなった新型コロナウイルス感染症の影響がマネジメントコントロールに対して与えた影響について、事例分析、質問票調査、アーカイバルデータ分析、実験研究、アクションリサーチなどの多様なアプローチで多面的に検討する。 2024年度の研究実績の概要は以下の通りである。科研の初年度であるにも関わらず、本研究チームメンバーは国内査読雑誌に4本の論文が掲載されるなど、意義ある研究成果を出すことができた。『管理会計学』に掲載された、吉田政之、打田昌輝、佐々木郁子、三矢裕による「危機時におけるマネジメント・コントロール―新型コロナウイルス感染症禍におけるオムロン株式会社へのインタビュー調査をもとに― 」は、新型コロナウイルス感染症禍のマネジメント・コントロールに関して、世界的に見ても先駆的な事例研究である。同社からの研究や、他の複数社のインタビューで得られた知見は、本研究チームが今後、質問票開発や実験計画の策定する際にも生かされることになる。 質問票調査については、質問票の開発が完了し、2024年2月に発送した。2024年5月1日時点で、紙での回収は44件、オンラインの回収は77件の合計121件であった。さらに回答を増やすために、督促状の発送を行った。 アーカイバルデータの分析においては、コロナ発生によるマネジメント・コントロールの「変化」を定量的に検証する。コロナによる変化を捉えるには、コロナ発生前後の状況比較するために、両方のデータが必要になるので、有価証券報告書の財務データとテキストデータについて、コロナ発生前から現在までの分析に着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、事例分析の論文投稿と質問票の発送は2024年度に実施予定であった。しかしながら、メンバーが精力的に活動してくれたおかげでそれらを2023年度中に実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
文献レビューは、コロナ感染症禍についての論文が続々と発表されているので、関連領域を対象に継続的に実施する。事例分析については、オムロン株式会社と対比して意義ある知見が得られそうな企業にアプローチをする。質問票調査については、科研テーマの申請時よりも前倒しで進んでいる。データの解析を行い、今年度の学会発表および論文投稿を目指す。アーカイバルデータ分析については、データベースの整備は完了しているので、データの解析を行い、今年度の学会発表および論文投稿を目指す。実験計画については、実験計画を立て、今年度中の実施を目指す。アクションリサーチについては、サイト探索を継続する。サイトが確定したら、実装計画を策定する。 本研究チームは、日本管理会計学会のスタディグループの役目も担っている。本年度の全国大会ではスタディグループの最終成果を行うことになる。その準備を進めたい。
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