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2024 Fiscal Year Research-status Report

「多様な教育機会」への公正なアクセス保障に関する実証・理論研究

Research Project

Project/Area Number 23K25639
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

末冨 芳  日本大学, 文理学部, 教授 (40363296)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 澤田 稔  上智大学, 総合人間科学部, 教授 (00367690)
森 直人  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10434515)
広瀬 裕子  専修大学, 人間科学部, 教授 (40208880)
武井 哲郎  立命館大学, 経済学部, 准教授 (50637056)
金子 良事  阪南大学, 経済学部, 准教授 (60771128)
Project Period (FY) 2024-04-01 – 2026-03-31
Keywords多様な教育機会 / 子どもの権利 / こども基本法 / フリースクール / 学びの多様化学校 / 不登校
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、日本の子ども・若者の「多様な教育機会」への公正なアクセス保障に関する実 証・理論研究を行う。2024年度は以下の研究実績を蓄積した。
不登校でなくとも、「多様な教育機会」へのニーズは拡大しているのかどうかの実態を把握するための、中高生および小中高生保護者へのオンライン調査を実施し結果を2024年度に公表した。中高生調査からはフリースクールの通学経験は2%程度に対し、「通ってみたい」と回答した中高生が1割程度いることが把握された。欠席日数10日以上、学校満足度(不満・やや不満)、性別(女性)でフリースクールへの通学経験、希望が高くなる傾向を見出した。
また2023年度末に実施した英国調査にもとづき、日本の不登校支援やフリースクールの概念との差異を明確にする研究分担者(広瀬)による学会報告を実施した。日本では、不登校状況の継続やフリースクールへのアクセスは法制の未整備により本人・保護者の「選択」にゆだねられる部分が大きいが、英国では不登校は子どもの「教育への権利」の侵害ととらえられ保護者の監護権が適切に行使されておらず行政・司法介入の対象となる。また英国でもっとも代表的な Democratic Schoolであるサマーヒルスクールは、日本のフリースクールとは異なり子どもの生まれながらの自由と権利を、政府のカリキュラムルールの統制を受けながらも直接民主主義により実現しようとする、日本のフリースクールとは次元の異なる高度なガバナンスが実現されていることを明らかにした。
また、国内外の調査や理論研究にもとづき、子ども・若者の学習権保障やその実現方策に関する理論や実践をレビューし、研究代表・分担者(末冨・森・澤田・金子・武井)が編著者となった3冊の著作や論文を公表し、研究目的の達成にむけ大きな進捗があった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は主に4点ある、①「だれが不登校で」「なぜ学びにアクセスできないのか」を明らかにするための協力自治体調査、支援者・当事者インタビュー調査。②不登校でなくとも、「多様な教育機会」へのニーズは拡大しているのかどうかの実態を把握するためのオンライン調査。 ③国内外の子ども・若者の学習権保障やその実現方策に関する理論や実践をレビューし、「学習権」とその実現の理論をアップデートするための理論研究。④イギリスを対象 とした比較分析の実施、である。
このうち②~④については、2023・2024年度の調査および研究成果の公表によって、学術的にきわめて意義の高い成果を残しているとともに、新聞の論説記事となって発信されたり、研究代表者の国会参考人としての意見陳述においてデータの一部が公表され注目されるなど社会的にも高い評価を得ている。
①については、協力自治体・学校の協力を得ながら、2025年度の最終年度に調査・分析を実施する見通しであり、当初の計画以上に順調に研究目的を達成しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

本年度は研究の最終年度にあたり、①「だれが不登校で」「なぜ学びにアクセスできないのか」を明らかにするため、国内の主要研究をレビューし、協力自治体・学校への調査、支援者・当事者インタビュー調査を行っていく。
また、すでに重要な研究成果を構築している、3つの研究目的(②不登校でなくとも、「多様な教育機会」へのニーズは拡大しているのかどうかの実態を把握するためのオンライン調査。 ③国内外の子ども・若者の学習権保障やその実現方策に関する理論や実践をレビューし、「学習権」とその実現の理論をアップデートするための理論研究。④イギリスを対象 とした比較分析の実施)についても、より詳細な分析を実施し、論文や学会報告を進めていく。
また日本の不登校・フリースクール研究や、「多様な教育機会」の拡大の実態や理論的整理、不登校児童生徒数の激増の中で子どもの「学習権」・「教育への権利」の保障のための法制や理論のアプローチについて、総括となる公開研究会を実施し、本研究課題の成果をひろく研究者・実践者や支援者に共有していく。

Causes of Carryover

一部の調査協力校・施設の事情により調査実施年度が2025年度となったため。2025年度の調査実施により執行する見通しであり、すでにスケジュールを調整中である。

  • Research Products

    (9 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results) Book (3 results)

  • [Journal Article] 多様性の包摂と教育の制度・経営 : 「チームとしての学校」と不登校児童生徒への教育保障に着目して2024

    • Author(s)
      武井哲郎
    • Journal Title

      日本教育制度学会・教育制度学研究

      Volume: 31 Pages: 182-186

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 「多様な教育機会」からの規範的/経験的な問い2024

    • Author(s)
      森 直人、澤田 稔、金子 良事
    • Organizer
      日本教育学会第83回大会
  • [Presentation] 中学生・高校生が「通ってみたい」学校2024

    • Author(s)
      末冨芳
    • Organizer
      日本教育学会第83回大会
  • [Presentation] こども若者の参画と学校マネジメント―自治体校則見直し状況調査をてがかりに2024

    • Author(s)
      末冨芳
    • Organizer
      日本教育経営学会第64回大会
  • [Presentation] 「多様な教育機会」と一条校のイノベーションー中高生調査・保護者調査を手がかりに2024

    • Author(s)
      末冨芳
    • Organizer
      日本教育行政学会第59回大会
  • [Presentation] 英国サマーヒル・スクールを把握する概念について -「フリー・スクール」よりは「デモクラティック・スクール」?-2024

    • Author(s)
      広瀬裕子
    • Organizer
      日本教育行政学会第59回大会
  • [Book] 「多様な教育機会」をつむぐ2024

    • Author(s)
      森 直人、澤田 稔、金子 良事
    • Total Pages
      372
    • Publisher
      明石書店
    • ISBN
      978-4750358062
  • [Book] 「多様な教育機会」から問う2024

    • Author(s)
      森 直人、澤田 稔、金子 良事
    • Total Pages
      400
    • Publisher
      明石書店
    • ISBN
      978-4750358079
  • [Book] 子ども若者の権利と学び・学校2024

    • Author(s)
      末冨 芳、秋田 喜代美、宮本 みち子
    • Total Pages
      296
    • Publisher
      明石書店
    • ISBN
      978-4750358031

URL: 

Published: 2025-12-26  

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