2023 Fiscal Year Annual Research Report
漢字の読みが困難な児童生徒の「漢字の読み処理」を評価できる認知診断テストの開発
Project/Area Number |
23H00985
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三盃 亜美 筑波大学, 人間系, 助教 (60730281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
任 龍在 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10614604)
明石 法子 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 助教 (10908148)
周 英實 筑波大学, 人間系, 特任助教 (40825618)
後藤 多可志 目白大学, 保健医療学部, 准教授 (50584231)
山口 一大 筑波大学, 人間系, 助教 (50826675)
澤田 浩子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70379022)
裴 虹 筑波大学, 人間系, 研究員 (70633915)
石井 由起 杏林大学, 保健学部, 准教授 (80878372)
橋本 幸成 目白大学, 保健医療学部, 専任講師 (90909855)
上間 清司 武蔵野大学, 人間科学部, 講師 (90970278)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 漢字の読み / 認知診断テスト / 学習障害 / 外国にルーツのある子ども / 二重経路理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習障害(LD)や外国にルーツのある(CLD)児童生徒の漢字の読み困難は、読み処理過程の一部が弱いこと(以下、弱みの処理要素)が原因で生じる。弱みの処理要素に応じた読み指導法が有効と思われるが、弱みの処理要素は一人一人異なる。しかし漢字の読み処理を評価し各児童生徒の弱みの処理要素を特定できる評価ツールがない。本研究の目的は、漢字の読み処理を評価する認知診断テストを開発し、その有用性を検証することである。この目的を達成するために、2023年度は各課題の内容および難易度を検討してテストを作成すること、2024年~2025年度は作成した課題を用いた調査を行い漢字の読みが困難な児童生徒の弱みの処理要素をサブタイプ化すること、2025年度~2026年度は漢字の読みが困難な児童生徒を対象に各サブタイプに合わせた漢字の読み指導を行い指導効果を検証することを計画している。これらの実施計画を実行することで、「漢字の読み処理に関する特性把握」から「その特性に応じた読み指導を選択・考案」できるテストを提案することにつながると考える。 上記の計画に沿って、2023年度は課題作成に向けた予備調査を小学校1校で行い、課題の内容および難易度の検討に必要な資料を得ることができ、課題作成の方針をたてることにつながった。特に予備調査を通して、非語彙的な処理を用いた読み処理が文字列レキシコンの発達に影響を受けているという新たな知見を得ることできた。また、2024年~2025年度に実施予定の学校調査に向けて関係諸機関に研究協力の依頼をし、研究協力に関する内諾を得ることができた。以上のように、2023年度は、2024年度以降の本調査に向けた準備を着実に進めることができたと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
認知診断テストの各課題の完成には至っていないが、それぞれの課題作成に必要な基礎資料を得て課題作成の方針をたてることができたため、2024年度の前半での完成の目途がたった。また2024年~2025年度に実施予定の学校調査に向けて関係諸機関に研究協力の依頼をし、研究協力の内諾を得ることができ、2024年度の後半に本調査を行う見通しをもてたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者と打ち合わせを重ね、各課題の完成を目指す。また関係諸機関とも打ち合わせを行い、2024年度の後半からの調査準備を進める。
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