2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the developmental process of social cognition based on understanding similarities between self and others: A longitudinal study in the first twelve years of life
Project/Area Number |
23H01035
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
實藤 和佳子 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60551752)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 知靖 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30251614)
遠藤 利彦 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (90242106)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Keywords | 社会的認知 / 縦断研究 / 発達 / 類似性理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では12歳までの社会的認知及び関連要因の発達的変化とその個人差を追跡し、生じる臨床的問題との関連も含めて、社会的認知発達過程について縦断的かつ実証的に解明することを目的としている。 今年度は、まず、本研究への参加者の募集をおこなった。研究代表者がこれまで実施してきた縦断研究への参加者を中心に、本研究への参加について同意が得られ、参加者を確保することができた。 また、今年度は特に、ある行動の意図性に関する判断について、その行動がもたらした副次的な結果の道徳的善悪に左右されるという副作用効果に焦点を当てた検討をおこなった。先行研究においては行動の意思決定者とその行動の副作用を引き受ける相手との親疎関係が副作用効果に影響を与えることが示されてきたが、行為者の行動の意図性を判断する者と行為者の関係性も影響を与えるのかは明らかではなかった。そこで、最小条件集団パラダイムを用いて内集団・外集団を構成することで実験参加者と行為者の社会集団を操作し、行動の意図性判断に及ぼす影響について検討した。その結果、子どもにおける副作用効果は追試されたものの、行為者が内集団メンバーだった場合、行動の意図性判断は副作用の正負に影響を受けなかった。また、行動や行為者への評価は行動の意図性判断と関連し、いずれも正の副作用が生じた場合には善、負の副作用が生じた場合には悪と判断された。ただし、行動への評価については、正の副作用が生じた場合においてのみ、行為者が内集団である場合に外集団である場合より善と多く判断された。本結果から、行動の意図性判断と行動の評価は、行為者の行動の意図性に関する判断者と行為者が所属する社会集団の同異が影響を与える可能性が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究参加者を集めることができ、データ収集も順調に進んでいるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在まで順調に研究が進捗しているため、今後も継続して研究を推進できるように計画・遂行する予定である。
|