2023 Fiscal Year Annual Research Report
非線形数理モデルのエントロピー消散構造に基づく数理解析
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23H01085
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川島 秀一 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), その他(招聘研究員) (70144631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 卓克 東北大学, 理学研究科, 教授 (20224107)
隠居 良行 東京工業大学, 理学院, 教授 (80243913)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 非線形数理モデル / 非線形偏微分方程式 / 数学的エントロピー / 消散構造 / 記憶型消散効果 / 減衰評価 / 非線形波 / 安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
流体力学、弾性体力学、電磁流体力学などの分野において非線形偏微分方程式系として定式化される様々な数理モデルを対象に、その数学的エントロピー、系に内在する非線形構造および消散構造に着目し、数理解析研究の新たな展望を開くことを目指して研究を行い、次のような成果を得た。 1.記憶型応力項を含む熱粘弾性体方程式系を一般の枠内で考察した。定数平衡状態で系を線形化し、その線形化系の基本解を構成した。さらに、系の消散構造が標準型であることを確認し、対応する線形解の減衰評価を示した。熱粘弾性体の数理モデルとその数理解析研究に貢献する重要な研究成果である。 2.記憶項を持つ一般の対称双曲系を考察した。記憶核は一般の strongly positive definite の場合を扱い、記憶項は対称緩和型の場合を考察した。系に対する職人技条件の下、系の減衰特性が可微分性損失型であることを明らかにし、対応する減衰評価を導出した。その証明は Fourier 空間におけるエネルギー法に基づいており、そこでは職人技条件、系の減衰特性を規定する関数を重みとする技法が重要な役割を果たしている。記憶項を持つ系の数学解析に新たな展望を開く斬新な研究成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初から研究対象としていた弾性体の数理モデルや記憶項を含む数理モデルの数理解析に関して、重要な進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しており、今後も当初の計画通り研究を進める予定である。
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Research Products
(23 results)