2023 Fiscal Year Annual Research Report
照射脆化耐性を向上する析出相強靭化法の開発とローカルアプローチによるモデル化
Project/Area Number |
23H01152
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笠田 竜太 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20335227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 創介 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10563984)
余 浩 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10825871)
大畑 充 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20294027)
松川 義孝 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70566356)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 低放射化フェライト鋼 / 析出物 / マイクロピラー圧縮試験 / 微細組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
核融合炉に用いられるフェライト系鉄鋼材料の照射脆化耐性の向上のために、微量添加元素による析出物の強靭化という冶金学的方法論の妥当性と、析出物の強度・破壊靭性が鉄鋼材料全体の破壊靭性に及ぼす影響について、超微小試験技術を用いた析出物単体の力学特性評価と、破壊力学におけるローカルアプローチの観点から明らかにすることを目的として、当該年度は下記の実績が得られた。 ・低放射化フェライト鋼等のフェライト系耐熱鋼の主要な炭化物であるM23C6のモデル単体炭化物の強度特性について、マイクロピラー圧縮後の組織観察により変形挙動に及ぼす照射影響を明らかにした。 ・同鋼中に時効析出する金属間化合物であるラーベス相(Fe2W、類似材としてFe2Mo)やG相の単体もしくは単体に近い試料を作製した。 ・析出物の強度・破壊特性の変化がマクロ強度・破壊特性に及ぼす影響について、ローカルアプローチの観点からの論点を整理し、実験的に評価すべき項目を明らかにした。 ・超微小試験技術であるマイクロピラー圧縮試験とナノインデンテーション硬さ試験をイオン照射材に適用するための新しい解析モデルや相関則について示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた析出物単体の変形・破壊強度評価のうち、M23C6型炭化物の評価は順調に進んでいるが、Fe2Wラーベス相については長時間時効による粗大化した試料の作製が困難であることが確認され、モデル材として類似の性質を示すと予想されるFe2Moの作製も進めて対処した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に作製した試料に対するイオン照射実験、マイクロピラー圧縮試験等の超微小試験技術による強度・破壊特性評価を進める。得られた結果について、ローカルアプローチによるモデル化への影響について検討を進める。
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