2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on an inverse process of free electron laser for extreme high gradient particle acceleration
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23H01198
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂上 和之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (80546333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 茂 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (60329133)
全 炳俊 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (80548371)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 光による電子加速 / テラヘルツ / 自由電子レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子ビームを生成する加速器の高勾配化は、到達エネルギーの向上や加速器の小型化という点で最も重要な開発性能である。原理的に最も高い加速勾配を実現できる「真空」で構成された加速器として、自由電子レーザーの逆プロセスを用いた加速技術開発に取り組む。この自由電子レーザーの逆プロセスによる加速を実現し、詳細に評価・解析することによって、今後の超高勾配加速器としての設計指針を得ることを目指す。 自由電子レーザー逆過程による電子加速を実現するために、当該年度はまず、自由電子レーザーの発振を目指して研究を進めた。最終的には、自由電子レーザー発振後に電子パルス列の最後の電子パルスを自由電子レーザー逆過程によって加速する計画である。京都大学に設置されている小型電子加速器に自由電子レーザー発振用の光共振器を設置し、アンジュレーターによって生成したコヒーレントアンジュレーター放射を周回させた。電子ビームから生成したコヒーレントテラヘルツ放射は共振器内において同位相で蓄積することまで確認することができたものの、その後の効率的な電子ビームと光の相互作用から始まる自由電子レーザー発振までは至ることができなかった。その一方で、ビーム試験をいち早く実施したことによって、設置した光共振器システムにおける改善すべき課題を明らかにすることができた。薄膜ミラーにおける電子ビームへの影響、共振器ミラーのアパーチャー不足などである。これら解決することによって自由電子レーザー発振へ至ることが見込まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自由電子レーザーの発振までは確認できなかったものの、大きな装置の設置なども完了しており、発振に向けた道筋も明らかとなっている。そのため、計画は概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね計画通りに研究を推進できる予定である。2年度目には自由電子レーザー発振とその発振レーザー光の評価を重点的に実施するとともに、3年度目に実施予定の自由電子レーザー逆過程による電子加速に向けた準備作業を実施する。電子加速を評価するにあたり、当初は薄膜ミラーを通過した電子を評価することを想定していたが、薄膜ミラーによる電子ビームエネルギーへの影響は思いのほか大きく、正確な電子加速としての評価を得るためには薄膜ミラーでなく、穴あきミラーを用いて電子を取り出す必要があることが明らかとなっている。この辺りの急な設計変更も合わせて検討し、最終年度に向けて準備を行っていく。
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