2023 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of Grinding Mechanism of Next Generation Semiconductor Substrates for Minimizing the Damaged Layers Using Nanomachining and Metrology
Project/Area Number |
23H01311
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
清水 淳 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (40292479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 和暉 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 助教 (60909216)
小貫 哲平 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (70400447)
周 立波 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (90235705)
尾嶌 裕隆 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (90375361)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 次世代半導体基板 / ナノスクラッチ / 分子動力学 / 加工変質層 / 結晶異方性 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代半導体の一つとされ,パワーデバイス半導体基板としての利用拡大が最も期待される単結晶4H-SiC基板の研削や研磨などによる平坦化は,高品質・高精度のパワー半導体デバイスを製造する上で極めて重要であるが,結晶材料であるがゆえに,その平坦化時に加工効率や加工精度は結晶異方性の影響を受ける.それらは,各種パワー半導体デバイスの加工コストや品質に大きな影響を及ぼすため,結晶異方性を考慮したナノレベルでの加工メカニズムを解明することが極めて重要となる.そこで,本年度の研究では,単結晶4H-SiC基板の基底面(Si面とC面とも)に対し,ナノスクラッチの方向を複数選定した上で,単結晶ダイヤモンドプローブによるナノスクラッチ実験を試み,加工異方性について検討した.そこでは,ナノスクラッチ実験ごとに,ダイヤモンドプローブの先端を電子顕微鏡観察することにより,摩耗やへき開などによって変化するダイヤモンドプローブの先端半径を計測しつつ検討した.それにより,試行ごとに変化する加工圧力をモニタリングしながらの検討を実施した.その結果,各スクラッチ方向に対し,スクラッチ溝が観察できる臨界加工圧力(加工開始圧力)を求めることができた.さらに,4H-SiC基板のナノスクラッチ過程を理論的に解析するために,ナノスクラッチ実験と同種の材料の組み合わせによる分子動力学シミュレーションモデルを構築した.そして,試行として初歩的なナノスクラッチシミュレーションを試行した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の当初の研究計画のとおり,単結晶4H-SiC基板の基底面(Si面とC面の双方)に対し,単結晶ダイヤモンドプローブによるナノスクラッチの結晶方位依存性を検討し,電子顕微鏡によるダイヤモンドプローブの摩耗やへき開の状況を把握しながら,臨界加工圧力を見積もることができた.また,ナノスクラッチ実験と同種材料の組み合わせによる,分子動力学シミュレーションモデルを構築し,初歩の試行的なナノスクラッチシミュレーションを遂行するまでに至ることができたことから,上記区分のような判定とした.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2024年度は,当初計画したとおり,4H-SiC基板のナノスクラッチ実験で検討し残した,あるいは再実験が必要とされる実験条件について検討するとともに,スクラッチ方向を変化させてのナノスクラッチの分子動力学シミュレーションを遂行し,実験とシミュレーション結果との比較を通じ,4H-SiC基板のスクラッチ異方性のメカニズムを明らかにしていく方針である.3年目以降は,そのような検討を,単結晶窒化ガリウム基板,単結晶酸化ガリウム基板へと展開させていく方針である.
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Research Products
(9 results)