2023 Fiscal Year Annual Research Report
Organic synthesis process from carbon dioxide and water using plasma
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23H01356
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
野村 信福 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (20263957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 英樹 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (80332831)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | プラズマプロセス / プラズマ放電 / 燃料合成 / 有機物合成 / LIF |
Outline of Annual Research Achievements |
CO2回収・利用技術の開発は、カーボンニュートラル(CN)達成を解決できる重要な研究テーマである。本研究の目的は、新規なCO2リサイクル法として、CO2と水からの有機物合成をプラズマプロセスによって実現することである。まず、液中プラズマを用いたCO2とH2Oからの合成燃料プロセスについて検討した。CO2は塩基性溶液に溶けやすい性質があり,実験溶液として純水に炭酸ナトリウムを溶かした溶液を使用し、その溶液で液中プラズマを発生させた。常温・常圧環境下のCO2化合物を含む水溶液中でプラズマを発生させると、エタノールやアセトンが無触媒の1段階プロセスで合成できることを確認した。液中プラズマを用いたCO2とH2Oからの合成燃料プロセスを提案した。この反応はCO2とH2Oからの合成燃料プロセスであり、原材料の視点からは人工光合成と捉えることができる。本プロセスはメタネーションプロセス等では必須の水素製造・供給プロセスが不要である。プラズマ反応によって、CO2由来のCと水由来のHのヘテロカップリングによってエタノールが合成される。次に、反応に寄与する励起ラジカルの特性を明らかにする目的で、水面上放電によりOHラジカルを生成し,その生成・消滅過程を別途に調べた。基底状態のOHの生成において,放電周波数が高い時は準安定窒素による生成が主因となり,放電周波数が低い時は電子による生成が主因となる。最後に、ベンゼンまたはトルエンと水を反応させるプロセスを、量子化学計算により考察し、今後の反応プロセス解明の一助となることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外国特許出願を優先し、学術論文への成果発表が遅れてしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズマ反応によるCO2と水からの有機合成として、燃料(アセトンやエタノール)の合成プロセスの定式化と合成条件を解明していく。CO2含有水溶系中でのラジカル寿命の測定を行うとともに、ラジカルの寿命を制御するために、窒素やアルゴンなどの凖安定分子導入による影響を調べていく。金属触媒等の導入による反応プロセスの結果とあわせて反応メカニズムを考察していく。
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