2023 Fiscal Year Annual Research Report
The principle of rapid cooling - What determines the quenching?
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23H01357
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高田 保之 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 特命教授 (70171444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 裕太郎 九州大学, 工学研究院, 助教 (80961755)
喜多 由拓 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 客員助教 (40840616)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | クエンチ点 / 液滴 / 蒸発 / 表面性情 / スプレー冷却 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大きく分けて次のAとBの2つの項目についての検討を行っている. A クエンチ点を予測する理論モデルを構築し,実験結果との比較によるモデルの妥当性の検証 B 熱力学的過熱限界温以上での固液接触の可能性に関する検討 Aについては,高温面上に蒸気膜を介した熱伝導による熱移動(膜沸騰モデル)と固液接触による非定常熱伝導による熱移動(固液接触モデル)の両者を組み合わせた理論モデルを検討中である.これまでの実験データを解析により,クエンチ点以上の温度帯では,膜沸騰モデルが支配的でクエンチ点以下では固液接触モデルが支配的となることが分かった.クエンチ点の決定については,膜沸騰下限界(極小熱流束点)で概ね予測できることが分かっているので,これを適用して表面粗さや酸化被膜の影響を検討中である. Bについては,ミクロレベルでの実験観察が困難なことから,マクロな冷却試験により得られたデータにより推測する方法に切り替えて検討することになった.そのためにレーザー加工による規則性をもたせたマイクロピラーを有するサンプルを準備し,スプレー冷却試験を実施し,それにより得られた冷却曲線にAで得られたクエンチ点予測手法を適用することで,見かけのクエンチ点を求めることにより熱力学的加熱限界温度以上での挙動を推測する試みを行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Aについては,伝熱モデルの検討に有用な種々のサンプルの実験データが蓄積されつつある.Bについては,当初検討していた手法の適用の困難さが判明したため,手法を切り替えて遂行中である.
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Strategy for Future Research Activity |
Aクエンチ点を予測する理論モデルを構築し,実験結果との比較によるモデルの妥当性の検証 これまでの研究から,クエンチが発生する固液界面温度については,最新の研究によるプール沸騰の極小熱流束点の理論モデルが適用できることが判明しつつあるので,今後は,冷却開始からクエンチ発生温度に至るまでの伝熱理論モデルの構築に注力する.「研究実績の概要」で示した膜沸騰モデルと固液接触モデルの両者をいかに組み合わせて冷却曲線を予測するかが今後の焦点である.そのためには,表面粗さ,酸化被膜など種々のサンプルによるスプレー冷却試験と単一液滴による挙動観察試験の結果を蓄積することで予測モデルの精度を向上させることが有効である. B 熱力学的過熱限界温以上での固液接触の可能性に関する検討 マクロな手法に切り替えて分析に必要なデータの収集を行う.一方で,ミクロレベルの観察も視野に引き続き有効な手法の探索を継続する.
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Research Products
(1 results)