2023 Fiscal Year Annual Research Report
超広帯域可視ベクトル光による超高速スペクトル計測と高感度欠陥検出
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23H01416
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
東口 武史 宇都宮大学, 工学部, 教授 (80336289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 大樹 宇都宮大学, 工学部, 助教 (50944667)
若山 俊隆 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (90438862)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 超広帯域 / 超高速スペクトル計測 / 偏光 / ベクトル光 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,幅広いスペクトルを有する超広帯域光が医療分野や工業分野などに応用されており,主に吸収分光や物質の励起光として期待されている.超広帯域光は,自己位相変調,誘導ラマン散乱,四光波混合などの非線形光学効果によって引き起こされ,超広帯域スペクトル,高輝度,高い空間的および時間的コヒーレンスなどの特徴がある.一方,波長に依存した偏光状態をもつベクトルビームが注目されており,波長と偏光の相関関係を用いて偏光分光計測の分野での利用が期待されている.高機能材料分野では,ガラス基板やフィルムに成膜された薄膜の複屈折分布や膜厚分布を全面で定量化することが求められており,偏光分光計測の高速化が必要である.しかしながら,従来の計測手法では,偏光素子自体を機械的に回転させる必要があり,高速化は難しい.それとは異なる手法として,偏光イメージセンサを用いた手法が提案されているが,従来のイメージセンサを用いているため測定時間が10 ms程度に限定される.最新の研究では,超広帯域ベクトルビームを用いることで偏光分光計測の高速化を実現している例もあるが,分光器を用いているため,従来のイメージセンサの手法と同様に測定時間が1 ms程度に限定される.そこで,本研究では,時間的にエンコードされた超広帯域ベクトルビームを用いることを提案し,偏光分光計測の高速化を図ることを目的とした.具体的には,光ファイバー波長分散と非線形偏波回転効果を利用し,超広帯域スペクトル光の波長と偏光度を紐付けする.この結果,時間・波長・偏光度の関係が決まり,オシロスコープでの超高速スペクトル計測法が実現できる. 本研究では,1秒間に40 x 10^6本のスペクトルを記録できることを示し,波長フィルターのスペクトルを計測することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従って実験を進められている.また,米国光学会 (Optica) の論文誌にも掲載されたことから,この区分にした.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い,超広帯域ベクトルビームにより欠陥検出実験を進めていく予定である.
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