2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an LED Device for Observing and Manipulating Neural Activity to Elucidate the Wide-Area Brain System
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23H01465
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
関口 寛人 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00580599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 宜昭 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80416651)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マイクロLED / 光遺伝学 / 脳波計測 / 皮質脳波 / 生体埋め込み / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,生体光刺激と脳波計測を組み合わせた新たな神経科学ツールの開発を目的とする。今年度は,多点LEDフィルムの高性能化および多点皮質脳波計測システムの確立に取り組んだ。 まず,駆動熱を抑制した多点LEDフィルムの実現を目指して,一括転写プロセスでのLED損傷回避のための中空構造の最適化,および,電流の局所集中抑制に向けた縦型電流注入LEDフィルムの作製に取り組んだ。一括転写時にLED中空構造を切り離すためのゲートと呼ばれる構造の厚さを従来の1/5としたことで,一括転写プロセスにおける機械的な損傷を完全に回避できることを実証した。また開発したLEDフィルムの発光量子効率は最大5%が得られ,従来の3%よりも高い発光効率が得られ,LED駆動に伴う温度上昇を抑えることが期待できる。さらに,導電性材料上への転写プロセスの開発を進めて縦型電流注入構造によるLEDフィルムを実現した。この結果は,LED照射光強度の向上や高密度集積などの改善につながることが期待できる。 次に,マウス脳の側部・深部を含む広範囲での多点皮質脳波計測の確立を目指し,再現性の高い多点皮質脳波デバイスの作製技術の確立とマウス動物実験による慢性計測の実証に取り組んだ。多点皮質脳波計測デバイス作製のノウハウを高めていくことでデバイス作製の再現性が向上した。特に,フィルムとPCB基盤の接合に関わる導電性ペーストを新たに選定したことで,64ch-ECoGデバイスが安定して作製できるようになり,少なくとも50ch以上が確実にファンクションできるようになった。またECoGデバイスの慢性実験を行い,埋め込みから1ヶ月経過後も多感覚モダリティ情報を多点で検出できることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に従って、多点LEDフィルムの高性能化を進め、ほぼ劣化のないフレキシブルLEDフィルムが実現できた。さらに多点皮質脳波計測システムの構築を進め、慢性での脳波計測も実証できている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度からは、マウス実験においてLEDフィルムを用いた光遺伝学的刺激による神経活動の活性化の実証や光照射の選択性の検討を進めるとともに、再現性のあるLEDフィルムの作製技術の確立を目指す。さらに、神経活動の操作による多点での脳活動計測の実現に向けて、LEDフィルムと皮質脳波計測フィルムの融合をしたデバイス開発を進める。
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