2023 Fiscal Year Annual Research Report
Substantiation on Shear Resisting Mechanism of Damaged Concrete Members Based on Micro-Structural Interactive Fracture Mechanics
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23H01493
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三木 朋広 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30401540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 尚史 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (20422785)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 微視-構造連成破壊力学 / アルカリシリカ反応(ASR) / せん断スパン有効高さ比a/d / せん断耐荷機構 / RCディープビーム / 圧縮破壊エネルギー / ポストピーク挙動 / ケミカルプレストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
2023(令和5)年度は、コンクリートの内在損傷がひび割れ進展に与える影響と部材強度の寸法効果を明らかにするために各種載荷実験を実施した。また、コンクリート内の鉄筋拘束によって生じるケミカルプレストレスの把握を試みた。得られた成果は以下の通りである。 成果1:50℃飽和NaCl水溶液に浸漬させたモルタルを対象として膨張量を測定した結果、ASRによって促進材齢9週,13週でそれぞれ約17000×10^-6、約36000×10^-6の膨張ひずみが生じた。ASRによる膨張を鋼棒ならびに両端板が拘束した供試体の曲げ試験によるひび割れ発生強度を用いて供試体に生じたケミカルプレストレスを逆解析したところ、10~13MPaといった極めて大きな値であることが推定された。 成果2:モルタルと同様の促進環境においてASRが生じたRCディープビームの載荷試験では、ASR供試体では約7%の強度低下がみられた。また、ASRによる膨張抑制材として、ガラス微粉末をセメント置換率として5%、10%の配合を用いた供試体を作製し、その効果を検証した。膨張抑制材を添加してない供試体では、載荷前にASRによるひび割れを確認したが、膨張抑制材を添加した場合は膨張に伴うひび割れはなくその効果を確認することができた。さらに、コアのX線CTスキャン、観察によって内部の劣化状態を確認するとともに、RCディープビームのせん断耐力に与える影響は軽微であることを実験的に示した。 成果3:ASR劣化したコンクリートのポストピーク挙動について実験的に検討をした。膨張が1000~3000×10^-6程度の無拘束のコンクリートの圧縮破壊試験をした結果、劣化に伴い弾性係数は大幅に低下するものの、圧縮強度や圧縮破壊エネルギーは大きく低下しないことを明らかにした。また、画像解析を用いて圧縮破壊における局所化挙動を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標であったコンクリートの内在損傷がひび割れ進展に与える影響と部材強度の寸法効果ならびにケミカルプレストレスの存在を明らかにして、ほぼ計画通り達成することができた。得られた成果は、JCIコンクリート工学年次論文集等の学術雑誌に投稿できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024(令和6)年度年度は、申請計画の通り、初年度構築した材料モデルを非線形解析に実装して、昨年度実験した構造部材の破壊進展挙動を解析的に評価する。また、大型RCはりの載荷実験を系統的に実施し、RCはりのせん断強度の寸法効果に与える破壊局所化領域の影響を明らかにすることを目指す。
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