2023 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluating uncertainty avoidance behaviora for dynamic network design under tremendous disaster
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23H01527
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
浦田 淳司 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70771286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
力石 真 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 教授 (90585845)
河瀬 理貴 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (00943771)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 不確かさ回避 / 離散選択 / 選好意識調査 / 動学最適化 / 災害避難 / 災害復旧 |
Outline of Annual Research Achievements |
不確かさを考慮した意思決定モデルの開発の第一段階として、将来状態の不確実性を考慮した動学的意思決定モデルの構築を進めた。また、将来の不確かさを取り込んだモデル推定のための独自アルゴリズムを開発した。将来効用の厳密計算を緩和し、不等式制約を導入することで、将来状態の想定が完全にはできていないことを表現した。また、将来状態の変化・不確実性を見越した選択肢集合の変化を記述する機構のモデルへの取り入れも進めている。 事前における不確かさに対する選好意識調査のため、対話型システムの導入準備を進めている。対話型のシステムにより、被験者の考え方や意思決定において参考としている要素を詳細に聞くことが可能になる。従前の固定型質問文および固定型の選択肢提示では、選択結果しかきくことができなかったが、対話型で選択していない理由なども聞くことが可能になる。 交通網の動学最適化のための基礎的検討として、幹線バス、フィーダーバスの路線網最適化に静的な枠組みの構築およびシンプルなネットワークによる実計算を行った。不確かさの評価のため、旅行時間の信頼性を入れ込んだ需要変動も枠組みに入れ込んでいる。開発した基礎的な枠組みの中で、運行頻度最適化や経路最適化も内装しており、本研究で評価する災害時交通網の最適化にむけて基礎的な検討ができたといえる。開発した幹線・フィーダーの双方を考えた路線網最適化は、災害時のみならず、平時においても適用可能なモデルとなっており、発展可能性は大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不確かな状況における選好意識調査の方法として、大規模言語モデルの実装に着想を得て、対話型のシステムによって、インタビュー調査を模した方法によるアプローチの開発に取り組み始めた。従前の固定型の質問文および固定型の選択肢提示では聴取不可能であった細やかな意思決定の様相を調査することが可能となった。これは、研究開始前は想定していなかった調査手法であり、大幅な進展といえる。 交通網の動学最適化のための基礎的検討として、幹線バス、フィーダーバスの路線網最適化に静的な枠組みの構築およびシンプルなネットワークによる実計算を行った。旅行時間の信頼性を入れ込んだ需要変動も枠組みに入れ込んでいる。これらの基礎的な枠組みの中で、運行頻度最適化や経路最適化も内装されており、本研究で評価する災害時交通網の最適化にむけて基礎的な検討ができたこととなる。 不確かさを考慮した意思決定モデルについては、将来の意思決定の不確実性を考慮した動学的選択モデルの構築を進めている。推定アルゴリズムの提案も含めた意思決定モデルに関する研究は、論文査読を経て、有効性・信用性が増しており、不確かさの反映に向けた基礎モデルが構築できたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず対話型の意識調査手法の実装を進める。不確かな状況における質問項目の精査や、対話型質問の継続・推移のアルゴリズム開発を進めたうえで、被験者の簡易な調査を行い、改善を行う。また、あわせて対話型調査において得た言語データの分析方法の構築を進める。自然言語処理の技術などを用いて、行動予測に資するモデルを構築するためのデータ正規化の方法などを構築する。これらの調査データの内容を元に、不確かさを考慮した意思決定モデルのさらなる開発を行う。不確かさの回避の意思決定メカニズムがを取り込んだモデル構築により、不確かさ回避の意思決定過程を明らかにすることを試みる。 交通網の動学的最適化にむけては、旅行時間の信頼性に基づき需要変動を考慮したフレームを構築しており、実データを用いて、旅行時間信頼性の交通手段選択への影響を定量評価する。また、ネットワーク配分・最適化においても旅行時間信頼性を考慮した計算方法の開発に取り組む。
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Research Products
(6 results)