2023 Fiscal Year Annual Research Report
The origin of fossil carbon and its removal and emission behavior in wastewater treatment plants
Project/Area Number |
23H01538
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大下 和徹 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90346081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福谷 哲 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (00332734)
西村 文武 京都大学, 工学研究科, 教授 (60283636)
中久保 豊彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70648766)
高岡 昌輝 京都大学, 工学研究科, 教授 (80252485)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 化石炭素 / 下水処理施設 / バイオマス / 下水汚泥 / 界面活性剤 / マイクロプラスチック |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 3箇所の下水処理場における流入水(24時間サンプリングを含む)、5種類の汚泥の性状と化石炭素の分析を夏季、秋季、冬季に実施した上、全国29カ所の脱水汚泥中の化石炭素を分析し、以下の知見を得た。①流入水中化石炭素濃度は10.6±6.2g/m3-下水であり、夏期は秋期・冬期に比べ有意に低かった。②化石炭素の全炭素に対する比率は、平均で10~20%であり1日の中で大きく変動したが、特徴的な変動パターンは見られなかった。③最初沈殿池での化石炭素の除去は限定的であり、多くが生物処理で除去された。④嫌気性消化における化石炭素の分解率は非常に低く、消化汚泥に濃縮される傾向。⑤脱水汚泥の平均化石炭素比率は12.9±5.7%(n=29)。 2) 化石炭素の由来解析:由来物質を、アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)などの界面活性剤、およびマイクロプラスチック(MPs)粒子と仮定し、下水汚泥中のLAS等の測定方法を確立、加えて全国34カ所の脱水汚泥中MPs粒子の種類、個数を測定し1.8×10^3~26.4×10^3個/kg-dryのレベルで含有されることを明らかにした。 3) 標準物質および放射性ラベルトレーサーを用いた化石炭素の生物分解実験:由来物質としてのLASや代表的なMPs標準品を入手し、実験を準備した。 4) 下水処理・汚泥処理系の化石炭素挙動を対象とした統合数理モデル構築:2023年度は、1)、2)の途中経過の結果を用いて、モデルのパラメーター設定を行った。 5) 化石炭素CO^2の温室効果ガス(GHG)としての排出量を考慮した下水処理施設全体のLCCO2解析:特に1)の結果を用い、化石炭素CO2の温室効果ガス排出量を見積もった結果、全国で58.9±34.5万t-CO^2/年に相当し、直接排出されるGHGの16.3±9.5%を占め、その約35%が汚泥焼却由来であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) 下水処理施設における化石炭素の挙動調査: 生物処理系の調査が残っているが、それ以外の調査を終えており、概ね順調に進展している。 2) 化石炭素の由来解析:MPsの調査を終えており、概ね順調に進展している。 3) 標準物質および放射性ラベルトレーサーを用いた化石炭素の生物分解実験:実験装置の準備を終えているが、条件設定を検討中であり、やや遅れている。 4) 下水処理・汚泥処理系の化石炭素挙動を対象とした統合数理モデル構築:一部のパラメーター設定を終えており、概ね順調に進展している。 5) 化石炭素CO2の温室効果ガスとしての排出量を考慮した下水処理施設全体のLCCO2解析:1年目で得られた結果より、排出量の概算は終えた。概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 下水処理施設における化石炭素の挙動調査:生物処理廻りでの化石炭素の挙動調査を、曝気槽上部ガス中の化石炭素分析も含めて進める。新たにサンプリングした34ヵ所の下水汚泥中の化石炭素レベルも明らかにする。 2) 化石炭素の由来解析:サンプリングした34ヵ所の下水汚泥中に含まれる界面活性剤の分析を進め、1)の結果やMPsの結果を含めて由来仮説の検証を行う。 3) 標準物質および放射性ラベルトレーサーを用いた化石炭素の生物分解実験:やや遅れているため、実験条件の決定や、放射性ラベルトレーサ実験も含めて鋭意進める。 4) 下水処理・汚泥処理系の化石炭素挙動を対象とした統合数理モデル構築:1)~3)の結果を更新し、モデル構築を進める。 5) 化石炭素CO2の温室効果ガスとしての排出量を考慮した下水処理施設全体のLCCO2解析:粗計算は終了しているが、種々の結果を用いて精緻化を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Behaviour of Microplastics in Methane Fermentation of Sewage Sludge, Japan2023
Author(s)
Guo, W, Oshita, K, Liu, S, Shiota, K, Takaoka, M
Organizer
WEF/IWA Residuals and Biosolids Conference 2023
Int'l Joint Research