2023 Fiscal Year Annual Research Report
R&D on Bio-Fenton Membrane Bioreactor
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23H01545
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
榊原 豊 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80143204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木持 謙 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 担当部長 (50415379)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 促進活性汚泥法 / MBR / 磁気フィルター / 膜ファウリング / 膜間差圧 / 膜洗浄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高品質な処理水を少ない資源・エネルギー消費量で得ることができる高性能排水処理・水再利用技術の開発を目的とする。これを達成するために、マグネタイト(MGT)を触媒粒子とするバイオフェントン法を膜分離活性汚泥法(MBR)に組み込み、COD及び栄養塩類に加え、抗生物質を高効率で一斉除去すると共に、膜の閉塞(膜ファウリング)を大きく低減できる反応器の最適な設計・操作条件を明らかにする。 本年度は、膜ファウリングを大きく低減するための磁気フィルターの構造および操作法について検討を行った。その結果、当初予定していた電磁石を用いる磁気フィルターは励磁のための電気エネルギーの消費量が極めて大きく、実用化は難しいことがわかった。次に、構造が異なる複数の磁気フィルターについて検討した結果、強磁性体のステンレス金網に粒状の永久磁石を付着させたフィルターを分離膜(MF膜)の表面近傍に設置する構造が最も優れていると考えられた。この結果に基づいて、半回分式の活性汚泥槽内に磁気フィルターを設置し、ろ過実験を繰り返して行い、磁気フィルターなしの場合と比較した。その結果、磁気フィルターを設置することにより、MGT粒子を含む汚泥フロックが磁気フィルターに捕捉されるため、膜間差圧(TMP)は小さくなった。また、磁気フィルターとMF膜との間隙に空気を注入すると膜面の洗浄が効率良く進行してTMPはほぼゼロに復帰し、安定した処理操作が繰返し可能であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた磁気フィルターのエネルギー消費量は、現状のMBRより1桁以上大きくなることがわかった。したがって、新たな磁気フィルターの開発に多くの時間を要したためSBRによる実験を十分に行うことができなかった。しかしながら、粒状の永久磁石を用いる新しい磁気フィルターを開発することができ、また膜洗浄を効率的に行える特徴を有していることから、今後の発展が大いに期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は初年度に開発した磁気フィルターをSBR及び連続反応槽に設置し、合成下水を用いた処理実験を異なる条件下で行う。また、最終年度は本年度の結果を踏まえ、実験装置の改良等を行った後、下水処理施設でフィールド試験を行う。これらの実験では、磁気フィルターを設置した装置と設置しない従来型のMBRを並行して運転し、本法の優位性を明らかにする。また、得られた実験データを基に、処理性能を表す数学モデルを構築し、最適な設計・操作条件について検討する。
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Research Products
(1 results)