2023 Fiscal Year Annual Research Report
様々な切り欠きや孔を有する製材及び集成材梁の耐力設計法の確立
Project/Area Number |
23H01553
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡本 滋史 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (20769806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 信彦 国土技術政策総合研究所, 建築研究部, 主任研究官 (20806054)
中谷 誠 宮崎県木材利用技術センター, その他部局等, 主任研究員 (90433143)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 円形孔 / 角孔 / 切り欠き / 集成材 / 製材 / 割裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、課題①切り欠きを1つ設けた梁の割裂耐力の計算法の提案、課題②角孔を1つ設けた梁の割裂耐力の計算法の提案、課題③切り欠き・角孔・円径孔を複数設けた梁の割裂耐力の低減率の提案、課題④切り欠き・角孔・円径孔を設けた梁の乾燥割れによる割裂耐力の低減率の提案である。2023年度は課題①②③について以下の検討を行った。課題①②については、切り欠き又は角孔を1つ設けた集成材の実大実験を行い、幅、高さ、および角のR加工の大きさの違いによる割裂耐力の傾向を調べた。そして、有限要素解析を用いて破壊力学のモード1とモード2の複合で検定することによって、すべての試験体の割裂耐力を推定できることが確認できた。モード1とモード2の複合ではモード2の影響が切り欠きを設けた梁では10%程度、角孔を設けた梁では30%程度あった。そのため、既存の計算式はモード1の影響しか考慮されていないため、切り欠きを設けた梁では既存の計算式で割裂耐力を概ね推定できたが、角孔を設けた梁の割裂耐力の推定は難しいことがわかった。課題③については、切り欠き又は角孔を2つ設けた梁の割裂が作用する位置の応力度を有限要素解析で求め、切り欠き又は角孔の距離による応力度の違いを調べた。切り欠きを2つ設けた梁については距離によって応力度の違いは見られなかったが、角孔を2つ設けた梁については距離によって応力度が異なった。この解析結果については、2024年度に実大実験を行い検証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
切り欠き又は角孔を1つ設けた集成材梁の割裂耐力の推定について、有限要素解析による方法と既存の計算式により推定できる予定であったが、既存の計算式では破壊力学のモード1のみしか考慮できていないためモード2も考慮した計算式を提案する必要があることがわかった。2023年度に提案できる予定だった切り欠き又は角孔を設けた梁の割裂耐力の計算法については、初等力学・破壊力学・有限要素解析を用いて2024年度に検討予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度に切り欠き又は角孔を2つ設けた集成材梁の実大実験を予定していたが、有限要素解析により切り欠きを2つ設けた集成材梁の実験をする必要がないと判断できるため、角孔を2つ設けた集成材梁の実大実験のみを行い、有限要素解析の結果と比較する予定である。その他に、角孔又は円形孔を3つ設けた梁の割裂耐力の低減率を有限要素解析を用いて検討、乾燥割れが発生した製材に切り欠き・角孔・円径孔を設けた梁の実大実験を行う予定である。
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