2023 Fiscal Year Annual Research Report
建築構造物の部分損傷推定のための多チャンネル振動計測による逆問題手法の構築
Project/Area Number |
23H01557
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉富 信太 立命館大学, 理工学部, 教授 (30432363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧野 敦夫 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (10403148)
田淵 敦士 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (90514191)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 多点同時計測 / 損傷推定 / 微動計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題において,建物の多点振動計測に基づく構造特性技術の開発に関する基礎的な検討を進めた.振動計測データから建物特性を推定するための理論的な展開に加えて,実データの収集を進めた.研究の方向性として2つのアプローチがあり,常時振動計測モニタリングデータに基づいて多くのサンプル計測データに基づいて建物性能を推定する方法と,1棟ずつ多数のセンサーで振動計測を行う多点同時計測による詳細な情報に基づいて建物性能を推定する方法の両者の検討を進めている.推定対象の構造性能として,常時の性能評価と地震後の損傷の程度を推定するための両者の手法を想定している.そのために必要な振動計測データの取得プログラムの実装,静的加力試験と微動計測の同時実施,実建物の微動計測の実施,隣接する2棟建物の衝突を模擬した振動台実験の準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の現在までの進捗は,おおむね順調である.振動計測データから建物特性を推定するための理論展開については,シミュレーションを通じて妥当性の検討を進めている.また実測データでの検証を進めるために,実建物において,多点同時振動計測を実施して,微動時と起振機による加振時のデータなどを比較し,提案手法の課題について検討している.また実建物に常設されている地震計を用いて,常時振動計測モニタリングが可能な建物が複数等あり,これらのデータを取得して,分析を進めている.この場合は,1棟当たりのセンサーは少ないが,数多くの計測データがあるため,どのような特徴抽出が可能かを検討できる.また木造住宅で広く用いられる耐力要素について,静的加力試験で振幅を漸増させながら損傷を与え,微動計測を並行して実施することにより,微動計測により推定された特性と損傷の進展がどのように対応しているかを検討している.また,実建物の耐震性評価に関わる要因として,地盤増幅特性の影響や,隣接する2棟建物の接触の影響の検討を進めた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進については,主として実用面を考慮して,実測データでの適用における課題の抽出と解決方法について検討する.多点同時計測の場合,どのような加力が最も建物の構造特性の推定に適しているか,あるいはノイズを除去して必要な情報のみを抽出するためにはどのようなデータ処理が必要かなどをより詳細に検討する.建物の立地条件を考慮したうえで最終的な耐震性評価につなげるために必要な,地盤増幅特性の推定も,地盤の微動計測に基づいて実施できるように検討を始める.また隣接する建物がある場合の耐震性評価についても,模型を用いた振動台実験と実建物の微動計測に基づいて明らかにする.
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Research Products
(15 results)