2023 Fiscal Year Annual Research Report
Plasma-assisted aerodynamic control around external nozzle with combustion in high-speed air
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23H01611
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
渡邉 保真 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60736461)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 極超音速 放電プラズマ / 空力制御 / 外部ノズル / 保炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では直流アーク放電による極超音速気流制御手法を,極超音速機外部ノズルでの急速応答空力制御へと応用するため,気流制御効果を支配する高速気流加熱源であるプラズマ電流路の生成特性解明と解析モデル提案を行う.令和5年度は主として,極超音速気流中での放電気流制御特性調査と燃料投入時のプラズマ挙動の解明を行うべく取り組んだ.基礎特性解明のため,まず極超音速流中にて外部ノズルを模した平板・斜面模型表面より不活性ガスを噴射し,これに放電を行なった際の気流制御特性について,実験により気流条件(よどみ点温度・圧力,レイノルズ数)とジェットの質量流量,プラズマ電力、下流における圧力変動の関係計測し,定量的に評価した.不活性ガスの噴射のみを行なった場合は,吹き出し口付近での衝撃波形成と,それに伴う全圧損失の発生により,下流における外部ノズルにおいて圧力の低下が見られた.圧力低下量は,噴射ガスの質量流量が比較的小さい位置で上限値に漸近し,それ以上流量を増やしても更なる低下は見られなかった.これにより,少量のジェット付加により機首を下げる方向に大きく空力モーメントを発生させることができると判明した.また,放電を併用した場合,下流側では圧力の上昇が見られた.これは,放電プラズマからの局所的なエネルギー投入により,放電部下流側での全圧が大きく上昇したことに伴う圧力変動であり,機首を上げる方向に大きくピッチングモーメントを発生させることが判明した.これらの制御効果を予測するため,Navier-Stokes方程式に対し,放電による局所的な流れ制御効果を加味した解析モデルの構築も行い,実験結果と良い一致を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
極超音速風洞実験による放電プラズマを用いた外部ノズル部における空力制御について,圧力計測や光学計測による制御効果の解明が当初の予定通り進んでいる.また,実験条件における気流制御効果予測のための解析モデル構築とそれによる数値解析も進展しており実験結果と定性的に良い一致を示しているため,全体として概ね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,当初予定通り,極超音速機外部ノズルでの急速応答空力制御における燃焼ガスの応用に関し,実験及び解析を通して現象の解明を進める.特に,極超音速機運用の際に重要となる,気流条件及び放電条件が,外部ノズル部における圧力変動に与える影響の特性を明らかにするため,風洞実験及び数値解析の両面から評価を行う予定である.
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