2023 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化する防災構造物の安全性評価に関する高信頼性・超高速計算システムの構築
Project/Area Number |
23H01655
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
栗橋 祐介 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (30414189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別府 万寿博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (90532797)
玉井 宏樹 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20509632)
小林 俊一 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (10243065)
藤生 慎 金沢大学, 融合科学系, 准教授 (90708124)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 防災構造物 / 安全性評価 / 高信頼性・超高速計算システム / 教師データ / 予測モデル / 維持管理 / 衝撃実験 / 衝撃応答解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
衝突作用を受ける RC はりを対象に,国内外の 200 ケース程度の実験結果を収集し,RC はりの諸元や載荷条件を一覧にした.また,コンクリート標準示方書に基づいて,曲げ耐力,せん断耐力,主鉄筋降伏時変位などを算定して一覧表に加えた.これらのデータセットを教師データとして,7つの予測モデルを用いて最大応答変位を求めた.また,8つの説明変数(重錘質量,衝突速度,断面高さ,断面幅,スパン,主鉄筋総断面積,コンクリート圧縮強度,鉄筋降伏強度)を用いる場合と,3つ説明変数(RC はりの曲げ耐力,降伏変位,重錘の入力エネルギー)に集約する場合についても検討した.その結果,3つの説明変数を用いる場合が8つの場合よりも全般的に推定精度が高いことが明らかになった.また,予測モデルとして「勾配ブースティング決定木 (GBDT)」を用いる場合が,説明変数の数によらず高い推定精度を示した. 実験による検討としては,曲げ破壊型 RC はりの重錘落下衝撃実験を実施し,重錘衝突部に発泡材を設置した場合における RC はりの衝撃応答メカニズムを解明するとともに,最大変位推定法を確立した.また,同様にせん断破壊型 RC はりの重錘落下衝撃実験も実施し,重錘衝突部に発泡材を設置した場合における RC はりのせん断破壊推定法を提案した. 数値解析による検討としては,曲げ破壊型 RC はりを対象にコンクリート構成則モデルが数値解析結果に及ぼす影響について検討した.前述の国内外の 200 ケース程度の実験結果を対象に検討した結果,連続表面キャップモデル (CSCM) が最も精度良く耐衝撃挙動を再現することを明らかにした. これらの知見より,防災構造物の安全性評価に関する高信頼性・超高速計算システム構築のための教師データ作成・拡張を適切に推進できるものと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
衝突作用を受ける RC はりを対象として,最大変位を適切に推定可能な予測モデルを明らかにするとともに,実験ならびに数値解析により,防災構造物の安全性評価に関する高信頼性・超高速計算システム構築のための教師データ作成・拡張を適切に推進可能な知見を得たため「おおむね順調に進展している」と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024 年度以降は,引き続き RC はりを対象とした教師データ作成・拡張を推進するとともに,同様の検討を RC 版や RC ボックスカルバート・シェッドを対象に実施する.文献調査ならびに実験・数値解析を進める.また,これらの構造物に関する高信頼性・超高速計算システムを構築するために,適切なデータセットと予測モデルについて検討する.なお,RC 版や RC ボックスカルバート・シェッドについても,エネルギー保存則がある程度成立する範囲を対象に検討する.
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