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2023 Fiscal Year Annual Research Report

Atmospheric pressure ion irradiation technique using ion-conductive glass and evaluation of ion irradiation and cell response

Research Project

Project/Area Number 23H01683
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionNagoya Institute of Technology

Principal Investigator

大幸 裕介  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70514404)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小幡 亜希子  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40402656)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywordsイオン伝導 / ガラス / イオン照射 / 細胞活性 / CNC制御
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,細胞に対して任意量の目的イオンを大気圧で直接照射・観察する実験系を構築し,どの程度のイオン照射で細胞増加と細胞死が誘導されるかイオン照射量のしきい値,また照射するイオン種と細胞活性など,細胞に対する各種イオンの照射効果を明らかにすることを目的とする。これまではイオン銃先端の高さが0.5 mmずれてもイオン電流値が著しく変化して定量評価を困難にしていた。また被照射範囲が直径数mm程度と狭く,培養プレートにはイオンの照射されていない細胞も含まれていた。初年度は計画書に記載の自動イオン照射装置を構築した。これにより照射位置や高さ,照射範囲を高い再現性でセットでき,またウェルプレートの異なるセルに対してそれぞれ異なる照射条件(加速電圧,照射時間など)を連続的に実施できるようになり,従来より短時間で10倍以上の個数の試料を一度に評価可能となった。大気圧条件では大気分子による放電も同時発生していたが,条件を検討したところおよそ100%の効率で銀イオンのみが放出可能な条件を新たに見出した。
倒立型の位相差顕微鏡とイオン照射を同期させることで,in-situ顕微鏡観察を実施した。細胞死に伴い位相差像の明度が変化することから,位相差像の平均明るさを求めたところ,典型的なシグモイド型のカーブが得られた。Ag+イオン照射による細胞死の誘導に閾値が存在することを示唆する結果であり,具体的なイオン照射量の定量などを進める。またマウスマクロファージ(RAW264)に対するイオン照射では,照射時間の増加に伴いやや細長く伸長した細胞が散見されるようになった.複数回実験を続ける中で,この細胞形態の変化(伸長)はイオン照射域のごく周囲(照射の直撃を受けていないと思われる周辺域)で特に顕著に見られることが新たに明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画通りに大気圧で計測可能な質量分析計を構築して大気放電の影響を評価することで,銀イオンのみが放出される条件を見出した。またイオン照射と観察を行う実験系の構築についても概ね完成した。細胞に対してイオン電流値を直接評価することはできなかったが,今後はイオン照射量がリアルタイム計測可能となり,定量評価を進める。

Strategy for Future Research Activity

構築した自動照射システムを用いて,イオン種や照射量と細胞応答との関係を明らかにする。銀イオンと銅イオンについてはイオン放出に適した条件などが明らかになっており,これらのイオン銃を用いて,特に 細胞の増減を決定するイオン照射量のしきい値の定量化について,優先して取り組む。細胞死(細胞 毒性)や細胞増の詳細な機構は,細胞数,代謝活性,分化,細胞形状,分裂挙動などから評 価する。In-situ顕微観察システムでは,イオン照射時の細胞形態変化をその場観察でき,これまで主に位相差像の変化に注目してきた。今年度以降は蛍光色素を用いることで,より詳細なイオン照射と細胞応答の関係を調査する。細胞に実際に取り込まれるイオンの量について,感度の高いICP分析(外注)より明らかにすることを目指す。

  • Research Products

    (8 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) Presentation (7 results)

  • [Journal Article] イオン伝導性ガラスを用いた細胞への大気圧イオン照射と細胞応答評価2024

    • Author(s)
      大幸裕介,小幡亜希子
    • Journal Title

      細胞

      Volume: - Pages: -

  • [Presentation] コンピュータ数値制御(CNC)による全自動イオン照射機構の構築と 生細胞への大気圧銀イオン照射2024

    • Author(s)
      安藤 樹生,大幸 裕介
    • Organizer
      日本セラミックス協会2024年年会
  • [Presentation] 銀イオン伝導性ガラス先端から大気圧下で 放出される銀イオンの放出効率評価2024

    • Author(s)
      伊藤太吾,大幸 裕介
    • Organizer
      日本セラミックス協会2024年年会
  • [Presentation] 直接 Ag+イオン注入による生細胞応答の in-situ 顕微鏡観察2023

    • Author(s)
      松山 萌香・小幡 亜希子・大幸 裕介
    • Organizer
      日本セラミックス協会第36回秋季シンポジウム
  • [Presentation] AgI 系ガラスエミッタから放出した Ag+イオンの照射時間と抗菌活性2023

    • Author(s)
      秋山 真佑佳, 小幡 亜希子, 漆原 大典, 大幸 裕介
    • Organizer
      第 64 回ガラスおよびフォトニクス材料討論会
  • [Presentation] AgI 系超イオン伝導性ガラスからの高効率 Ag+イオン放出と大気放電2023

    • Author(s)
      伊藤 太吾,大幸 裕介
    • Organizer
      第 64 回ガラスおよびフォトニクス材料討論会
  • [Presentation] CuI 系ガラスエミッタからの Cu+イオン放出寿命および 銅/ガラス界面インピーダンス2023

    • Author(s)
      杉本 あさひ,大幸 裕介
    • Organizer
      第 64 回ガラスおよびフォトニクス材料討論会
  • [Presentation] 先鋭化した超イオン伝導性ガラスからの電界イオン放出 と細胞活性・抗菌性2023

    • Author(s)
      大幸裕介, 伊藤太吾, 松山萌香, 秋山 真佑佳, 杉本あさひ
    • Organizer
      第49回 固体イオニクス討論会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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