2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of charge transfer mechanism in battery materials by operando measurements using quantum beams
Project/Area Number |
23H01693
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Comprehensive Research Organization for Science and Society |
Principal Investigator |
大石 一城 一般財団法人総合科学研究機構, 中性子科学センター, 主任研究員 (60414611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒場 慎一 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 教授 (20302052)
杉山 純 一般財団法人総合科学研究機構, 中性子科学センター, 特任研究員 (40374087)
村中 隆弘 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (70398577)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ナトリウムイオン電池 / ハードカーボン / 負極 / イオン拡散 / 中性子小角散乱 / ミュオンスピン緩和 |
Outline of Annual Research Achievements |
蓄電池の大容量化のためには、電池動作時におけるイオン濃度、構造及びイオン拡散の総合的理解が必要となる。本研究では、充放電時の「組成変化」、「構造変化」及び「拡散係数の変化」を中性子及びミュオンを用いたオペランド測定で観測し、充放電時におけるこれらの変化の相関を総合的に理解する。「組成」、「構造」及び「拡散係数」の相関から、電池材料物質のイオン拡散挙動を解明することにより、高容量化及び高入出力化を実現する電極物質開発へ指針を与える。 初年度となる2023年度は、オペランドミュオン実験、及びオペランド中性子小角散乱実験用電池セルの開発・予備実験を実施し、以下のような実績を得た。 ナトリウムイオン電池正極材料であるナトリウム酸化物を用いてオペランドミュオン実験を行い、ナトリウムイオンの自己拡散係数のナトリウムイオン濃度依存性を観測した。ナトリウム酸化物NaxCoO2では、CoO2面の積層の仕方により結晶構造がP型とO型を有することが知られており、これらの結晶構造の違いによるナトリウムイオン拡散の違いについて明らかにした。また、中性子小角散乱用のオペランド電池セルの開発を行い、オフライン(中性子無し)測定の実施、及び中性子を用いた予備実験を行った。 以上の研究成果を国際誌に発表するとともに、国際会議及び学会等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミュオン実験については、ナトリウム酸化物における充放電過程におけるナトリウムイオンの拡散係数の観測の実施及び論文化に至っており順調に進んでいる。また、中性子小角散乱実験においては、透過散乱を検出するためのオペランド中性子小角散乱用電池セルの開発を行い、オフラインでの充放電測定及び中性子を用いた予備実験を実施できており、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、ミュオン実験については引き続きオペランド測定によるイオンダイナミクスの測定を実施する。また、中性子小角散乱実験については、ハードカーボンを用いたハーフセルを組み、オペランド測定を実施して微細空孔サイズ及びグラフェン層間長のナトリウムイオン濃度依存性の観測を行う。また、新たな負極材料開発により得られた試料を用いたオペランド測定を実施し、「組成」、「構造」及び「拡散係数」の相関を総合的に理解する。
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[Presentation] 3次元ハニカム構造を有するβ-ZnIrO3のμSR2024
Author(s)
杉山 純, 大石一城, 梅垣いづみ, 原口祐哉, 香取浩子, Rasmus Palm, Yuqing Ge, Frank Elson, Martin Mansson, Ola K. Forslund, Daniel Andreica, Bassam Hitti, Gerald D. Morris, Thomas J. Hicken, Janas Krieger, Christopher Baines, Hubertus Luetkens
Organizer
日本物理学会, 第 78 回年年次大会
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[Presentation] Study on Na-ion Battery Materials by Means of Small- and Wide-Angle Neutron Scattering and Muon Spin Relaxation2023
Author(s)
K. Ohishi, D. Igarashi, R. Tatara, Y. Kawamura, J. Suzuki, K. Hiroi, I. Umegaki, J. Nakamura, A. Koda, S. Komaba, J. Sugiyama
Organizer
MRM2023/IUMRS-ICA2023 Grand Meeting
Int'l Joint Research
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[Presentation] Ion Dynamics in Na-Ion Battery Materials Studied by SANS and μSR2023
Author(s)
K. Ohishi, D. Igarashi, R. Tatara, Y. Kawamura, J. Suzuki, K. Hiroi, I. Umegaki, S. Nishimura, J. Nakamura, A. Koda, M. Mansson, S. Komaba, J. Sugiyama
Organizer
SMS2023 & GIMRT User Meeting 2023
Int'l Joint Research
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[Presentation] Magnetic Phase Diagram of Ca1-xEuxCo2P2 clarified with μ+SR2023
Author(s)
J. Sugiyama, K. Ohishi, I. Umegaki, K. Moriyama, K. Yoshinaga, C. Michioka, H. Ueda, O. K. Forslund, Y. Sassa, F. Elson, U. Miniotaite, R. Palm, Mansson, G. D. Morris, K. Yoshi
Organizer
MRM2023/IUMRS-ICA2023 Grand Meeting
Int'l Joint Research
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[Presentation] P2-NaxCoO2とO3-NaxCoO2の動的挙動の相違2023
Author(s)
杉山 純, 大石一城, 五十嵐大輔, 多々良涼一, 梅垣いづみ, 中村淳平, 幸田章宏, Rasmus Palm, Martin Mansson, 駒場慎一
Organizer
日本物理学会, 第 78 回年年次大会
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