2023 Fiscal Year Annual Research Report
Metal hydride-based Pt-free catalysts for non-oxidative alkane dehydrogenation and alkane metathesis
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23H01765
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
前野 禅 工学院大学, 先進工学部, 准教授 (30721154)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 金属水素化物 / 表面ヒドリド / アルカン脱水素 / アルカンメタセシス |
Outline of Annual Research Achievements |
バルク金属水素化物およびゼオライト内金属水素種を用いた低級アルカンアップグレーディング反応を検討した。バルク水素化チタンがプロパンメタセシス反応に活性を示すことを見出した。触媒活性の発現にはボールミリング処理が必須であり、水素化物表面の低原子価チタンが反応に寄与していることが示唆された。理論計算によるメカニズム解析から、表面水素の脱離により生成した低原子価チタン種上での炭素-炭素結合形成反応が進行する可能性が示唆された。また、プロパン脱水素反応に有効なランタン水素化物について、ランタン重水素化物を用いた同位体実験から格子水素の反応への寄与が示唆された。XRD測定を利用した水素欠陥の有無や生成を定量的に議論する手法を確立できた。ゼオライト内金属水素種のアルカン脱水素能については、高温反応条件下のin situ XANES測定によりエタン脱水素反応に有効なゼオライト内ガリウムヒドリド種が高温反応条件下でも存在することを示唆する結果が得られた。異なる構造のゼオライト内の単核ガリウム種のXANESスペクトルの解析結果と、定常でのエタン脱水素反応試験により得られた脱水素活性に相関がみられ、ゼオライト内ガリウムヒドリド種が脱水素反応の活性点であると考えられる。分光測定のまた、ガリウム導入ゼオライトがエタンとアンモニアの非酸化的脱水素カップリング反応に有効であることを見出した。これらの成果について学術論文で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題である低級アルカンの脱水素反応やメタセシス反応に活性を示す水素化物材料を見出すことができた。これらの成果をもとに研究を展開していくことで、水素化物のアルカン活性化能の開拓と学理構築が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
金属水素化物は触媒活性の低下が課題であるので、高耐久性を有する触媒材料の開発に取り組む。また、ゼオライト内金属水素種については、ゼオライト内イオン交換サイトの構造や生成する金属錯体種の構造制御とそれに基づいた触媒研究に取り組む。
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