2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Cu-based catalysts active for the production of formaldehyde by the partial oxidation of methane
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23H01766
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
竹中 壮 同志社大学, 理工学部, 教授 (10302936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 稔 同志社大学, 理工学部, 教授 (80243046)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | メタン部分酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタンは天然ガス,メタンハイドレートとして豊富に存在する化石資源である.メタンの一部は化学工業原料として水蒸気改質による合成ガス製造に利用され,製造された合成ガスからメタノール,炭化水素が製造される.しかしこれらは多段プロセスであること,メタンの水蒸気改質が吸熱反応で,かつ800℃以上の高温を必要とすることが問題である.そこでメタンの直接変換技術が求められ,その1つにメタンの部分酸化によるメタノール,ホルムアルデヒド製造がある.メタンの酸素での部分酸化によるメタノール,ホルムアルデヒド製造は多くの研究者が触媒開発に取り組んだが,実用化には至っておらず,触媒化学の分野で“夢の触媒反応”の1つとされる.我々はすでにCu酸化物クラスターがメタンの酸素による部分酸化に対して高活性を示し,ホルムアルデヒドを高選択的に生成することを見出している.本研究ではこれまでの知見を発展させ,メタンの酸素による部分酸化で高収率でホルムアルデヒドを生成する触媒を開発する.今年度は各種酸化物担体上にCu酸化物種を担持し,それらのメタンの酸素による酸化反応に対する活性および選択性を評価した.その結果,単核や2核程度のCu酸化物種が高活性であり,高収率でホルムアルデヒドを生成することを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では,メタン部分酸化に有効なCu酸化物触媒の開発を研究目的としており,本年度の研究で,メタン部分酸化に有効な活性点に求められる条件として,単核および複核のCu酸化物種が高機能性を示すことを見出しており,次年度の研究展開に向け,十分の成果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
1年目の研究で開発したCu酸化物触媒の高比表面積化を検討する.高比表面積化は,高表面積担体の利用,および構成成分の多種化を検討する.担体としては,触媒不活性とされるシリカ(アモルファスシリカ,メソポーラスシリカ)やゼオライトを中心に検討する予定である.また構成成分の多種化では,Cu系複合酸化物の高エントロピー化が狙いである.近年,金属および金属酸化物の高比表面積化の1つの方法として,構成成分の多種化による高エントロピー化が検討されている.成分多種化による高エントロピー化により,触媒の高温での安定性が改善される.Cu系複合酸化物に1種あるいは2種の金属元素を添加し,それらを複合化することで触媒の高表面積化を試みる.
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