2023 Fiscal Year Annual Research Report
超断熱微小空間を持つ複合粒子のサーモクロミック応答特性の解明
Project/Area Number |
23H01801
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤 正督 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50238523)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | サーモクロミック / 中空粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ中空粒子の微小空間による超断熱異常場が存在することが、これまでの研究結果から予見されている。しかしながら、この異常場の詳細は未だ解明されていない。本研究では温度応答(サーモクロミック)現象をベースとして微小空間による超断熱異常場の学理探求を行う。研究成果から得られた新たな材料設計指針により実用的材料への展開を期待する。具体的には、温度応答性(サーモクロミック:TC)遮熱機能とナノ中空粒子による超断熱効果を併せ持つ粒子の設計および合成ルート方法を検討する。この複合粒子をポリマーに充填するフィラーとすることで、冷暖房の消費電力を大幅に削減可能な夏冬を問わず省エネに貢献しうるスマートウィンドウ (SW)フィルムの研究開発を行う。特にサーモクロミックナノ粒子とナノ中空粒子の重畳効果による異常場での温度応答制御が実現可能である新しい機能性粒子の材料研究を実施する。 上記目的を達成するために、初年度は、ナノ中空粒子の合成条件の検討を行った。異常場の効果が顕著となるようナノ中空粒子のさらなる微小化を行い、その合成法について検討を行った。さらにサーモクロミック材料の選定を行い、ナノ中空粒子への表面修飾や内包化のための方法について検討を進めた。微小空間を反応場とする前駆体からのサーモクロミック材料合成に特異性が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サイズやシェル厚、密度を制御された中空シリカナノ粒子の合成を、ナノエマルション液滴をテンプレートとすることで実現可能とした。微小空間をかたちづくる中空粒子のシリカシェル構造の評価進めることができた。サーモクロミック物質の内包化の過程で、微小空間の反応場としての特異性を新たに見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
サーモクロミック前駆体を中空粒子に内包化させ、中空粒子内部でのサーモクロミック物質の合成法について検討を進める。これを通じて、特異的反応場としての中空構造の特異性について理解を深める。
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