2023 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノ構造のひずみ場における転位運動とバンド構造変化の相関
Project/Area Number |
23H01809
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安藤 妙子 立命館大学, 理工学部, 教授 (70335074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥山 寿之 立命館大学, 理工学部, 教授 (30227681)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ナノ構造 / 半導体材料 / 転位 / ピエゾ抵抗効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
半導体ナノ構造にひずみ場が存在すると,転位が生成・成長しやすいメカニカルな現象と,バンドギャップ変調からのピエゾ抵抗効果が増加するようなエレクトリカルな現象を引き起こすことがそれぞれ知られている.本研究ではナノ構造の機械的特性を明らかにした上で,活性化した転位群がピエゾ抵抗効果などの電気・光特性に及ぼす影響について調べていく. 透過電子顕微鏡(TEM)観察下でひずみ場を超高倍率観測するために,ひずみ場を与える引張試験片上の観察位置(ここでは試験片中央)が移動することなく観察点が両側引張状態となり,定点観測できるような構造をもつ試験構造体について設計を行った.今回は試験材料として単結晶シリコンを用いるため,応力が10 GPaとなったときの観察点となる位置の変位が0となる構造とした.またMEMS加工技術を用い,設計した構造体について実際に加工を行った. またTEM内において引張試験を実施するためには,TEM内で外力を印加することおよび電気的な計測を行うことが必要である.上記のMEMS技術による引張試験構造体を設置し,これらの試験を実施できるようにアクチュエータや計測用の配線構造を内包したTEMホルダを作製した. さらにTEM外においてもTEM内と同様の外力印加時における電気・光特性の評価を行うため,別途単結晶シリコンナノワイヤ構造を作製した.SOI基板の活性層に陽極酸化によりナノワイヤ構造を作製し,引張ひずみ下においてのピエゾ抵抗効果を評価する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は (1) ナノ構造の引張試験を実施するための試験構造体の設計と製作,(2) TEM内引張試験用のホルダの製作,(3) TEM外での特性評価を行うこととしていた.TEM内試験に関わる,最初の2つの実施項目については完成しており,最後の項目ではナノワイヤ構造の製作が終了したが引張下での電気特性評価は未達であった.ただし上記の通り研究実施計画を順調に進めており,当初予定していた実施項目をほぼ終了できていることから順調に研究は進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
製作した引張試験用TEMホルダおよびMEMS技術による引張試験構造体を用いて,超高倍率観察下での変形中の定点観察を行うことにより,異なる大きさのひずみ場を与えながら,それぞれの変形形状を観察し,有限要素解析を用いてひずみ場の大きさを特定する.また延性状態が見られる試験片においては超高倍率観測を実施し,転位が観測できるまで成長したことを確認の後,ひずみ増加による転位の変動をそのまま観測して,ひずみ場と転位活性化挙動についてのデータを取得する.さらにそれぞれのひずみ場におけるバンドギャップについて,電子エネルギー損失分光法(EELS:Electron Energy-Loss Spectroscopy)を用い,ひずみ導入時のスペクトル変化からバンドギャップ変化を評価する.
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