2023 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of MOF-based microporous semiconductor
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23H01810
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 大輔 関西学院大学, 理学部, 教授 (60589399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪口 明博 関西学院大学, 工学部, 教授 (70452456)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 配位高分子 / 半導体 / 多孔性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで系統的な合成が不可能であったマイクロ孔を有する結晶性半導体材料の開発を目指している。特に、細孔の形状(結晶構造)と電子物性(バンド構造)を自在に制御することを目的に、以下の2点の研究課題を解決することを目的として研究を進めた。(1)半導体MOFの結晶構造を設計し、望みの細孔構造を自在に実現する合成法の開発、(2)マイクロポーラス半導体を構成する低次元無機半導体の物性解明と機能開拓。これらについて以下に成果を述べる。 (1)新規半導体MOFの開発:MIを活用した合成手法を駆使することで、30種類以上の含硫黄新規配位高分子の合成に成功した。すべての物質について結晶構造解析に成功しており、これらの中にはマイクロ孔を有するMOFが含まれることも確認できている。吸着実験よりこれらのマイクロ孔は水などの小分子を吸着する特性を有することも併せて見出している。 (2)低次元無機半導体の物性解明:合成したほぼすべての新規配位高分子の光伝導性をTRMC測定により評価した。これより、合成した配位高分子は半導体特性を有することを明らかにした。さらに、すべての結晶構造についてDFT計算よりバンド構造を計算し、構造と物性の相関に関するデータベースの作成も行った。また、鉛からなる半導体配位高分子には複数の結晶多型が存在し、鉛と硫黄からなるネットワーク構造の形成が電荷輸送に大きく寄与することを見出した。開発した配位高分子の光触媒特性についても評価を行い、一部の化合物で優れた特性を示すことも明らかとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
MIを活用することで、30種類もの難結晶性含硫黄半導体配位高分子の合成と構造決定に成功した。本手法手法を活用することで、非常に効率的に新規含硫黄半導体配位高分子の合成条件を最適化可能であることを実証するとともに、すでに目的であったマイクロ孔を有する新規半導体MOFの合成についても実現している。これらの物質の結晶構造解析とDFT計算を通して、構造と物性のデータベースの構築も順調に進んでいる。また、開発した材料の一部が極めて選択性の高い触媒特性を示すことも見出しており、研究は当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度同様に、研究代表者がすでに開発した新規MOFの特性評価を進めながら、MIを活用した新材料の探索法の確立を目指す。特に、機械学習から得られた結果から、多孔性構造の実現における支配因子を抽出し、半導体MOF自在合成の学理を確立し、低次元半導体集積型MOFの合成法確立と結晶化機構の解明を目指す。また、得られた配位高分子の物性評価は、本年度同様以下のスキームに従い進める。 (1)X線回折及び電子線回折による結晶構造の決定 (2)計算と分光測定による電子状態の精密評価 (3)デバイス作製と分光測定によるキャリア輸送特性及び光物性の評価
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Research Products
(5 results)