2023 Fiscal Year Annual Research Report
Thermo-dynamics analysis of bio-materials using 3D temperature imaging
Project/Area Number |
23H01817
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
亀井 保博 基礎生物学研究所, 超階層生物学センター, RMC教授 (70372563)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨樫 祐一 立命館大学, 生命科学部, 教授 (50456919)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 熱ショック応答 / HSF / 赤外レーザー / イメージング / 温度計測 / 単一細胞 / biothermology |
Outline of Annual Research Achievements |
生物にとっての熱・温度とは何か?という問いに対する本質的理解を、イメージング技術を使って得ることが本課題の目的である。マクロ系で確立された熱力学理論で説明できない現象として細胞内に温度分布があることが近年示されてきた。真偽は議論の最中であるが、私自身は、マクロの理論で考慮されていない点(パラメーター)があると考えている。現在の伝熱理論では分子の平均運動量として温度を捉え、その伝搬の方向性は全周的であるとしていが、ミクロ・ナノの世界における熱伝搬は、生体物質の「構造」によって方向性の差、つまり、熱伝搬の異方性を考慮する必要があると考えている。生体物質を構造化したモデル組織、および、実際の細胞内で、3D高速温度イメージングによって実測・解析し、ミクロ熱力学に帰結させる。 2023年度は、生物系実験として、温度プローブ(B-gTEMP)を発現する哺乳類培養細胞の安定発現株のクローニングが完了し、また、同プローブを発現するメダカ系統の作製のためのインジェクションが終了した。一方で、高速温度イメージングのためのハードとして、高感度カメラを使った顕微鏡光学系の構築が完了した。また、分子動態解析用PCをセットアップした。また、マイクロデバイス中に細胞あるいは膜成分を閉じ込めて1次元的な熱伝導イメージングを行うためのデバイスを試作した。ライブイメージングのために屈折率が水と同じCytopを利用したデバイスの作製方法を確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高速温度イメージング光学系の構築を終え、また、マイクロデバイスの作製手法の確立が行えたこと、さらに、分子動力学シミュレーションを専門とする立命館大学の冨樫教授に参画頂き、マイクロデバイス実験から得られた時間的な温度変化結果による熱伝導率計算と、分子動力学シミュレーションの結果を比較検討できる体制を築くことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、マイクロデバイスに細胞または人工膜構造を構築して実際に高速温度イメージング実験を実施する。その結果を元にそれぞれの熱伝導率計算を行う。一方で分担者の冨樫教授と分子動力学シミュレーションをモデル系で行って両者の結果を比較する。おそらく分子動力学シミュレーションのパラメータの追加などが必要となると思われるので、冨樫教授とは密に議論を行う。
|
Research Products
(9 results)