2023 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of 3D tissue culture system integrated with blood vessels and autonomic nerves
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23H01827
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
森 宣仁 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (70806215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 陽一郎 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50783883)
高山 祐三 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60608438)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | Organ-on-chip / 自律神経 / 血管 / MPS |
Outline of Annual Research Achievements |
生体において、臓器は血管によって酸素・栄養の取得、二酸化炭素・老廃物の排出といった物質交換を行い、さらに交感・副交感神経からなる自律神経系によって機能調整されることで恒常性を維持しており、その破綻は疾患に直結する。また、腫瘍などの疾患においても血管や自律神経が関与していることが知られている。要するに、血管と自律神経はほぼすべての臓器に共通する「インフラストラクチャ」である。一方、近年臓器や組織を模倣するスフェロイドやオルガノイドといった3次元組織が盛んに開発されており、基礎研究や創薬のためのツール、あるいは再生医療用の移植組織として利用が進んでいる。しかしながら、ヒト自律神経は生体からの分離・培養が困難であり『材料』としての細胞が入手できなかったため、体外において自律神経を有する3次元組織を構築することができなかった。このため、これまでの3次元組織には生体で当たり前に制御されるべき興奮・安静状態の区別がなく、本来、昼夜等時間帯やリラックスの状態によって異なるべきホルモン分泌量が常に一定になってしまうなど、極めて不自然な状態にあった。そこで、本研究ではiPS細胞から分化誘導した自律神経を、血管付きの3次元組織に導入し、さらに光刺激によって興奮・安静状態をスイッチするシステムを開発することを目指している。2023年度は光刺激により細胞を活性化するチャネルロドプシンChR2およびChrimsonRのベクター作製と、当該ベクターを用いたiPS細胞由来自律神経への遺伝子導入条件の検討を実施した。また、実際に遺伝子導入した自律神経細胞をMEA測定装置(Axion Maestro Edge)により電気測定したところ、光刺激に同期したシグナルが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大きな遅延なく進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらなる遺伝子導入効率の向上の検討を推進する。また、光刺激可能なデバイスを設計する。
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