2023 Fiscal Year Annual Research Report
超ワイドギャップ半導体の両極性電気伝導発現に向けた物性の解明と制御
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23H01867
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 良太 京都大学, 工学研究科, 助教 (60737047)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 超ワイドギャップ半導体 / 励起子 / 窒化アルミニウム / 窒化アルミニウムガリウム / 深紫外発光ダイオード / フォトルミネッセンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,超ワイドギャップ半導体の両極性電気伝導を阻んでいる物性の理解とその制御により,超ワイドギャップ半導体の両極性電気伝導を発現することにある. 本年度は,窒化アルミニウムのp型電気伝導可能性を分光の観点から調べることに注力した.非常に純度の高い窒化アルミニウム薄膜をベースとして,意図的にSiおよびMgが添加された窒化アルミニウム薄膜の極低温下フォトルミネッセンススペクトルを比較することで,窒化アルミニウムの深紫外発光線の包括的な帰属を行い,それとともに窒化アルミニウムにおけるMgアクセプタ束縛エネルギーが従来信じられていた値よりも非常に小さい値であることを提案した.また深紫外LEDの発光層として採用されている窒化アルミニウムガリウム量子井戸構造の温度可変時間分解フォトルミネッセンス測定を行い,本試料の輻射再結合寿命と非輻射再結合寿命を定量するとともに,これらの温度依存性を理解するための物理的指針を与えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで不可能と考えられてきた窒化アルミニウムのp型電気伝導制御可能性を見出した点で,超ワイドギャップ半導体の両極性電気伝導制御に関する極めて重要な発見ができたと考えている.また深紫外発光ダイオードの発光層として用いられている窒化アルミニウムガリウム量子井戸構造の温度可変時間分解フォトルミネッセンス分光を行うことにより,熱ドループ現象に輻射再結合効率(radiative recombination efficiency)の温度依存性が直接関与していることを示し,輻射再結合寿命および非輻射再結合寿命の温度依存性の解釈に新たな観点を提供した.これは今後の高効率深紫外発光ダイオード設計の指針になると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に導入した光学測定用超伝導マグネットと,深紫外分光測定系を融合させることで,超ワイドギャップ半導体を評価するための深紫外磁場下分光測定系をまず構築する.これによって,窒化アルミニウム・ダイヤモンド・六方晶窒化ホウ素の深紫外発光が外部磁場によってどのように応答するかを観測・解明し,超ワイドギャップ半導体の両極性電気伝導制御に向けた指針を獲得することを目的とする.同時に,短パルスレーザ照射非平衡熱処理技術の確立による超ワイドギャップ半導体良電気伝導性準安定電子状態の探索と,赤外光活用による超ワイドギャップ半導体の両極性電気伝導制御の提案および原理実証により,超ワイドギャップ半導体の両極性電気伝導の発現に挑戦する.
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