2023 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線レーザー干渉顕微鏡の開発とアブレーションによる損傷形成過程の解明
Project/Area Number |
23H01884
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
石野 雅彦 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 量子応用光学研究部, 上席研究員 (80360410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 登 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 量子応用光学研究部, 主幹研究員 (50360409)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 軟X線レーザー / 軟X線顕微鏡 / レーザー干渉計 / アブレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高強度パルスレーザーが起こすアブレーション機構やレーザー加工における非熱的加工の学理を解明することを目的として、物質表面の損傷構造を100ナノメートルスケールの空間分解能と100フェムト秒以下の時間分解能で可視化する軟X線レーザー干渉顕微鏡の開発とこれを用いた観察実験を遂行する。研究の目的達成のため、本年度は軟X線顕微鏡と軟X線レーザー干渉計とを組み合わせた軟X線レーザー干渉顕微鏡の設計と製作を行った。以下に具体的な成果を示す。 軟X線顕微鏡の開発では、対物レンズに相当する凹面鏡および凸面鏡の2枚の反射鏡から構成される反射型対物レンズユニットの製作を予定通りに完了した。また、レーザー干渉計の開発では、ロイズ干渉計用平面基板を予定額よりも安価に入手することができたため、次年度に予定していたリレー光学系用の球面基板を入手するとともに、軟X線顕微鏡の構造骨格となる固定ユニットも導入することができた。これにより、対物レンズユニットを固定ユニットに仮組し、顕微鏡として可視光による試験観察を行うことができた。しかし、現状では軟X線レーザー干渉顕微鏡を構成する各光学素子は軟X線の反射に対応していないため、反射膜の成膜が必須条件として残っている。 来年度には、対物レンズユニットを含む全ての光学素子に軟X線用多層膜の成膜を行い、各要素部品の仕上げと軟X線レーザー干渉顕微鏡の組み上げを行い、軟X線レーザー光源による観察を可能とする環境を整える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画当初に予定していた通り、軟X線レーザー干渉顕微鏡の各要素部品の開発を行うことができたのみならず、固定ユニットの導入により、顕微鏡としての観察を開始するに至った。来年度には、各光学素子に軟X線用多層膜を成膜することにより、軟X線レーザー光源での観察が可能となる見込みである。よって、研究がおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、軟X線レーザー干渉顕微鏡の各要素技術の仕上げと組み上げ作業を行う。 初年度に製作した対物レンズ用の凹面基板および凸面基板、干渉計用のダブルロイズ干渉計用平面基板、そして、リレー光学系用凹面基板の各光学素子表面に軟X線レーザーの発振波長に対応した多層膜反射鏡を成膜することで光学系を完成させる。そして、軟X線レーザー干渉顕微鏡をX線レーザービームラインへ設置し、軟X線レーザー光源での観察実験が可能となる環境を整える。
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Research Products
(4 results)