2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research and development of manufacturing, quality, transportation and combustion technology for fine bubble fuel for the transition period to a carbon-free society.
Project/Area Number |
23H01911
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
中武 靖仁 久留米工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30280481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺坂 宏一 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00245606)
川原 秀夫 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (80300622)
早川 晃弘 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (90709156)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ファインバブル / ディーゼル機関 / 燃料消費率 / 有害排気ガス / 燃焼解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
燃料添加ファインバブル(FB)生成システムの設計・開発について、FB生成器の種類は様々な方式のものがあるが、燃料は温度で常温から150℃、流量で0.01から30 L/min、圧力で大気圧から0.8MPa、粘度で1から250 cStまで異なり、燃料物性や燃焼機器の運転条件が大幅な範囲に渡るFB燃料の適切な生成法は確立されていない。そこで、燃料物性(温度、粘度)や装置・操作条件(圧力、流量)の差異によるFB混入の最適化を計った。 燃料中混入FBサイズ分布の計測技術開発について、燃焼機器において、実際にどのようなFBサイズ分布がパイプライン中を流れて行き、最終的に燃焼機器で使用されているかを検討するためには、パイプライン中でのFBをインライン・リアルタイム計測が必須となる。そこで、プローブ式画像解析粒子径・形状分析装置を利用し計測・分析を行った。 FB含有燃料のパイプライン輸送技術開発について、FBを燃料へ添加する場合は、エア噛みによるエンジンの運転停止や不安定燃焼のみならず、不適切なFBを混入させると、逆に燃費の悪化につながる。そこで、生成・分級したFB燃料を安定的に燃焼機器まで運ぶ必要がある。方法としては、特に水平管においては、FBの浮上、分離ならびに合泡を防ぐために、燃料管内にラインミキサーを導入して、燃料の種類や流量、および機器の構造や効果について実験的に検証・最適化を行った。 FB燃料のエンジン燃焼試験について、高温、高粘度燃料でしかも化石燃料と比較して低カロリーのバイオ燃料へFBを添加し、ディーゼル機関の実験を実施した。燃料、ならびに燃料物性の違いが燃焼特性に及ぼす影響について、燃費、排ガス特性、シリンダ内圧力、熱発生率などを比較して実験的に検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
燃料添加ファインバブル(FB)生成システムの設計・開発について、まず、実験室内に中型ディーゼル機関(定格出力1,600 kW、燃料消費量4 L/min)クラスのFB混入装置、ならびに機関の燃料ラインを模擬した燃料循環装置を構築した。本装置の特徴は、FB混入装置からの燃料出口管内にインライン式FB計測プローブを設置し、その下流のパイプを透明にしたことで、管内のFBをリアルタイムに計測、ならびに可視化可能にした点である。加圧下や大流量下への適応性を考慮して、FB混入器は加圧溶解式とノズル式を併設した。燃料はA重油を用い、圧力や燃料流量を変化させて実験を行ったところ、定性的な差異は確認できた。 燃料中FBサイズ分布の計測技術開発について、インライン・リアルタイム計測が可能なプローブ式画像解析粒子径・形状分析装置を導入した。A重油中のFBを可視化、計測可能であるが、燃料圧力、燃料流量、FB空気流量の変化に対する最良なプローブの設置角度ならびに計測条件(解析方法、焦点距離など)について検討中である。 FB燃料のパイプライン輸送技術開発について、燃料循環装置を用いて、圧力、流量の変化やラインミキサーの有無などについて、実験的に検証を行った。機関の各気筒へ導かれる燃料主管を透明パイプにし、FBの濃度や分布について定性的な差異を確認した。 FB燃料のエンジン燃焼試験について、バイオディーゼル燃料(てんぷら油再生油)を用い小型高速ディーゼル機関(定格出力11 kW)実験を行った。NOxの低減は確認できたが、燃費低減の確認はできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
燃料添加ファインバブル(FB)生成システムの設計・開発について、設計・製作した中型ディーゼル機関(定格出力1,600 kW、燃料消費量4 L/min)クラスのFB混入装置と機関の燃料ラインを模擬した燃料循環装置、ならびにプローブ式気泡計測装置を用い、圧力や燃料流量を変化させて、定量的な評価を行う。 燃料中FBサイズ分布の計測技術開発について、圧力や燃料流量を変化させて、最良なプローブの設置角度(下流側から45°、流れに垂直)、ならびに計測条件(解析方法、焦点距離など)について確立する。 FB燃料のパイプライン輸送技術開発について、燃料循環装置の可視化パイプ内の流動状況(気泡濃度と分布)を画像解析により、定量的に評価する。 FB燃料のエンジン燃焼試験について、バイオディーゼル燃料を用い小型高速ディーゼル機関(定格出力11 kW)にて、FB混入方法(加圧溶解式、ノズル式)の影響について、燃焼特性(燃費、排ガス特性、シリンダ内圧力、熱発生率など)を比較して実験的に検討する。
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