2023 Fiscal Year Annual Research Report
Feature extraction of reaction route map by topological data analysis and its application to reactivity comparison, classification, and prediction
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23H01915
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 正人 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (40514469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 壮伸 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (10642324)
寺本 央 関西大学, システム理工学部, 准教授 (90463728)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 計算化学 / パーシステント・ホモロジー / ポテンシャルエネルギー曲面 / グラフ解析 / 同種核置換反転異性体 |
Outline of Annual Research Achievements |
「反応経路地図(RRM)を表現する重み付きグラフに対するパーシステント・ホモロジー(PH)解析法の確立」の項目については、基盤となるadjusted weight rank clique filtrationを開発して貨幣金属ナノクラスターと有機化学反応に適用し、その有用性を報告した。また、GRRMプログラムの出力を用いてPH解析を行うプログラムを整備して公開した。一方、GRRMプログラムの出力は対称性と同種核置換反転に関して縮約されているため、元のポテンシャルエネルギー曲面(PES)全体を表すものにはなっていない。そこで、3N-6次元のPESの空間に対応するRRMをGRRMの出力から復元する手法を並行して開発し、公開した。この復元されたPESに対するPH解析についても、予備的な検討を行った。 「グローバル反応経路地図の作成とデータベース化」の項目に関しては、遷移金属元素の少数原子クラスターの計算とデータベース化を進めている。 「PH解析に基づく記述子を用いた系の分類と機能・性質解明」の項目に関しては、Wasserstein距離およびボトルネック距離を用いた金属ナノクラスターのRRMの類似度比較を開始したが、RRMの比較に最適のものであるとは言いがたい結果となった。今後は、RRMの特徴を活かした新たな「距離」の定義方法について検討を進める。 PESや反応経路地図の解析、という観点では、様々な観測時間スケールでPESの速度論的な可視化を実現する手法を新たに共同で開発した。PESのエネルギー値の関係をそのまま表示する従来のdisconnectivity graphとは異なり、時間スケールに基づいた階層性を表現するものになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画に記載した項目はほぼ完了しており、当初予定になかった研究の新たな側面も見えてきている。比較・分類を実現する「距離」に関しては、当初計画したものが最適ではないようなので今後さらに検討する必要があるが、いずれにしてもよりRRMに適したものがあると考えて計画されており、現在までの進捗は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定通り、Pade近似により2次の鞍点の情報を近似的に取り込んだPH解析法の開発を進め、金属ナノクラスター触媒の比較・分類へと適用していく。これまで解離チャネルをあらわに扱ってこなかったが、触媒反応では特に反応物が吸着し、生成物が脱離する過程が重要であり、これを取り扱う必要があることが分かってきた。そこで、最近開発された連結パーシステンス・ダイアグラムの方法を利用し、解離チャネルを扱う方法を新たに構築することを本研究課題に含めることとしている。
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